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【二次創作】初めてでも書ける「夢小説」書き方のキホン

今回は「夢小説」の書き方のポイントについてまとめていきます。
pixivなどの人気サイトで名前変換が可能になったこともあり、夢小説を目にする機会が増えました。大好きなキャラと恋愛したり、推しキャラの意外な一面を見られる夢小説、楽しいですよね。そんな夢小説を読んでいて、「自分も書いてみたい!」と思った方や推しキャラとのオリジナルの恋愛小説を書いてみたいと思っている方向けに、初心者が夢小説を書く時のポイントについて考えていきます。


【1】「原作の世界に入り込む」ことを楽しむ

夢小説を読みたい、書きたいと思う気持ちの背景にあるのは、多くの場合「ヒロインになってキャラと恋愛したい」「原作の世界に入りたい」という自己投影の願望です。もちろん、自分が考えたオリジナルキャラクターと原作キャラとの恋愛を楽しむタイプの作者、読者の方もいます。しかし、数でいえば自己投影タイプのほうが多いと言えるでしょう。
子どもの頃に見たアニメの主人公やドラマや映画のヒロインに「私もあんな風になってみたい!」と憧れたことは誰しもあるはず。この「なりたい願望」×「オタ活・推し活」こそが「夢小説」であると言えます。ですから、夢小説を書くためには、「原作の世界観にどっぷり入り込んで楽しむ!」という姿勢がまず大切です。

【2】一人称がおすすめ

夢小説らしい没入感を得られやすいのは、やっぱり「一人称」です。「私」というヒロインになりきって、ヒロインの目線で物語の世界を進んでいく。そのような楽しみ方ができるのは、夢小説ならではですね。特に初心者さんであれば、まずは一人称から書いてみることをおすすめします。

【3】ヒロインのキャラ設定は「幅をもって」

ヒロインをどんな女の子にするか、夢小説を考える上で楽しいポイントですね。しかし、キャラ設定の詰め込みすぎは却って読者を遠ざけてしまうことがあるということに留意してください。もちろん、大前提として「二次創作は自分自身のために行うもの」です。読者の需要を意識しすぎると、却って自分が楽しめなくなってしまうと思います。しかし、もし書き手として「たくさんの人に読んでもらいたいな」と考えるのであれば、詳細なヒロインの設定は自分の頭の中だけに留めておいて、文章としては「読者に想像してもらえるように幅をもって書く」ことを意識してください。夢小説は「キャラになりきって楽しむもの」。読者さんにとって「自分と違い過ぎるヒロイン」は没入感を弱めてしまいます。読んでもらことを意識してつくる夢小説なら、文章として書くのは……年齢、おおまかな容姿(美人・平凡・目立たない等)、服装、ざっくりとした性格くらいで良いと思います。

【4】「場面設定」を忘れずに

作者にとっては、よくよく練られたヒロインの設定であっても、読者にとっては「はじめまして」の存在です。そもそもが原作に登場しないキャラなので、ヒロインがどんな立場で原作キャラと絡むのかは明示しておく必要があります。この「場面設定」は、小説の早い段階(冒頭部分)で行っておきましょう。
「私の名前は○○○○、△△高校に通う2年生だ」でも構いませんが、より小説らしい自然な感じを目指すなら、「いつどこで何をしているか」を描くことでヒロインの立場を示すと良いでしょう。例えば、ヒロインが高校せいなら……「いつもの時間、いつもの道をいつもと同じ制服で今日も歩いている」や「寝坊して朝ごはんを食べ忘れたせいなのか、先生の声がまったく頭に入ってこない」とか、そんな感じです。

【5】読者の「共感」を引き出す

夢小説を楽しめるかどうかを左右するのは、「読者がヒロインに共感できるか否か」です。つまり、「わかる」「そうだよね」と読者がヒロインに共感し、一緒にドキドキハラハラしてもらえたとしたら、それこそが夢小説にとっての正解と言えるでしょう。
では、読者の「共感」を引き出すにはどうしたら良いか。初心者でも取り組みやすい方法として、「キャラの内面や感情についてしっかりと描く」ことが挙げられます。動作や行動だけでなく、「今どんな気持ちなのか」「なぜそう思ったのか」を書くことで、読者とヒロインの距離を埋めていく方法です。ヒロインの抱いた気持ちの中に、「私も経験がある!」「そういうことってあるよね」と読者が思えるものがあれば、ぐっと共感を得やすくなるでしょう。

【6】「期待」と「不安」を操る

夢小説を書く上で最も大切と言える要素は「ときめき」です。この「ときめき」を生む出す技法が、「期待」と「不安」。さらに噛み砕いて言うと「ドキドキ」と「モヤモヤ」です。願いが叶うかもしれない「期待」と叶わないかもしれない「不安」、この二つの感情を行ったり来たりさせることで、「どうなるのか続きが知りたい」という読者のワクワクや「その気持ちわかる」という共感を引き出しましょう。

例)
・付き合う前の二人:両思いかもしれない期待、告白したらフラれるかもしれない不安
・付き合った後の二人:もっとラブラブになれるという期待、本当の自分を見せたら幻滅されるのではという不安

「期待」と「不安」は同時に存在することが多い感情です。だからこそ共感もしやすいですし、ドキドキを生み出す方法としても有効です。

【7】ゴール(目的)は何か

どんな小説でもそうですが、物語のゴール(目的)はあらかじめ決めておくことが大切です。夢小説であれば、「両想いであることを確かめる」「付き合う」「キスする」「セックスする」「結婚する」などがゴールとして設定される場合が多いと思います。小説を書く時は、まずこのゴールを決めて、そこに向かうまでの過程でどんなドキドキやモヤモヤが発生するのか、ヒロインは何を考え、どう感じたのかを物語にしていくと良いでしょう。

【8】「コンフリクト」は萌える

ストーリーに彩りを添え、「萌え」を生み出す方法として「コンフリクト(障害)」はとても有効です。大げさな事件や出来事である必要はありません。「言いたいのに言えない」とか「勇気がでず、一歩が踏み出せない」という小さなもので問題ありません。むしろ「ほんの小さな、だからこそ誰しもが経験がある」コンフリクトこそが読者の共感へとつながり、萌えを生み出すと言えます。そして、コンフリクトを乗り越えた先にたどりつくゴールが物語のラスト、結末となります。

【9】相手キャラ目線もおすすめ

意外と萌えるのが「一人称」かつ「男性(相手キャラ)目線」の夢小説です。お相手キャラが、架空のヒロインに対してドキドキしたりモヤモヤしたりするお話です。二次小説である以上、夢小説も「推し」ありきで成立しています。その「推し」がヒロインに向ける感情をたっぷりと堪能する。これが楽しくないはずがありません。格好いいキャラが恋愛にモダモダしたり、ヒロインの可愛さにキュンキュンしたりする様子、たまらないと思いませんか。普通の夢小説にちょっぴり飽きたかも?という方は、ぜひ「相手キャラ目線」の夢小説も試してみてください。

いつも書いていることになりますが、「二次小説は作者が自分のために書くもの」です。書き手である自分が楽しければそれで正解だし、自分で読み返して萌えられたならもう大正解!です。とはいえ一方で、「せっかく書いた小説だから誰かに読んでもらいたい」と思うのも当然のことです。作品を読んでもらって、共感してもらって、読み手の方と一緒に楽しめたら最高ですよね。
本コラムでは、そんな「自分自身の楽しみ方」と「読者さんへの萌えの届け方」のバランスを大事にして、長く二次創作を続けられる方法を提案していきたいと考えています。いつかどこかで、どなかたのお役に立てていたら嬉しいです。


ありがとうございます。 好きを形に!たのしく同人活動!を目標にがんばります!