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【二次創作】推しの二次小説が書いてみたい方へ

推し活、オタ活、楽しんでますか。
今回は、二次小説を書いてみたい!という初心者の方向けのコラムです。「二次小説を書いてみたい、でも小説を書いたことがない」「頭の中に推しの妄想はある、でもどうやって形にしたらいいかわからない」「二次小説を書き始めたけど、完成前に挫折してしまった」、そんな方向けに二次小説の「はじめの一歩」についてまとめていきます。
「書きたい、でもどうしたらいいのかわからない」と悩む気持ち、すごくわかります。でも、大丈夫。とりあえず書いてみて、それから練習していけばいいのです。今回のコラムでは、「とりあえずこれに沿って書いていけば形になるよ!」という初心者向けのテンプレートをご提案しています。
難しいことは考えず、まずは気楽に一本!二次小説を書いてみてください。

【1】登場人物は二人がおすすめ

正直なところ、二人以上の人数を扱うのは初心者にはハードルが高めです。人数が増えれば増えるほどキャラを動かすのが難しくなりますし、「今喋っているのは誰なのか」「キャラの配置はどうなっているのか(どこに立っているのか)」など情景描写についても気を付けなければいけない箇所が増えます。
初めての二次創作は、「完成させること」がまず目標。複数人での会話や群像劇はとりあえず諦めて、二人の推しの話に集中するのがおすすめです。

【2】文字数の目標はだいたい2,000文字くらい

何文字あったら小説なのか?って、気になりますよね。
個人的には2,000文字くらいあれば、見栄え、読み応えともに十分「短編」と呼べると思います。文字数の目標はとりあえず2,000文字前後と考えて、まず一本書いてみましょう。場面がどんどん変化していくような長い小説にいきなり挑戦してしまうと挫折してしまう危険性が高まります。せっかく「書きたい!」と思ったのに、それは勿体ないですよね。
書いてみたい妄想はたくさんあると思いますが、やっぱり「完成」が目標!なので、まずは短い小説を一本から試してみてください。

【3】”人称”を決める

一人称と三人称を行ったり来たりになってしまうと、読者は混乱してしまいます。まずは「この人称で書く!」と決めて、途中でブレないようにしましょう。難易度的には一人称のほうが書きやすいと思うので、初めてなら一人称の小説がおすすめかな。

【4】”視点”を決める

一人称:語り手になるのは、受けか攻めか
三人称:AとB、どちらに視点をおいて書くか

次に決めるのは、「視点」です。
腐向け二次創作を例にお伝えすると……「一人称、攻め目線」と決めたら、そこからは絶対に視点を変えないということです。常に「攻めから見たもの、攻めの感情を描写する」ことを徹底して、文章の中に「受け」の目線や感情は入れないでください。
三人称の「視点をおく」というのは、「キャラの背後に立っているようなイメージで描写する」ということです。この場合も、一人称の時と同じで、絶対に最初に決めた視点を変えないこと。たとえば「三人称、攻め目線」と決めたら、常に「攻めから見えるもの」「攻めの心情」を書いていきます。「受け」の心情は書きません。「受け」について描写する場合は「攻めから見た表情」や「攻めが推察する受けの感情」になります。

では、次からはいよいよ「執筆」に入っていきます。

【5】今どこにいるのか、場所について書く

「今がいつでどこにいるのか」を書きましょう。空間の描写がない小説は、背景のない漫画と一緒です。それがないと読み手は状況がイメージできず、物語に入り込めません。
書くタイミングは、小説の冒頭、書き出しがおすすめです。「○月の月曜日、放課後の教室」と頭に書いておくだけでも十分!それだけで読者の理解はぐっと上がります。格好いい描写にしよう!とこだわらなくても大丈夫。不慣れなうちは、「季節」と「天気」や「時間」と「場所」など基本的な情報を書くことから始めると良いと思います。

【6】キャラを動かす

場面が設定できたら、次はキャラを動かします。難しい言葉や小説っぽい描写を使わなくてぜんぜんOK。頭の中にあるキャラの動作をそのまま文字にしていきます。
この時に注意することは、【4】で解説した「視点」です。これだけはブレないよう注意しましょう。視点がブレてしまうと「あれ、これどっちの気持ち?」「誰が何をしたの?」と読者が混乱してしまいます。ここを守っていれば、場面が展開しても読み手はちゃんとついてきてくれるはず。

【7】セリフとセリフの間を埋める

動きよりもセリフのほうが妄想しやすいと思います。しかし、セリフばかりになってしまうと、読者には二人の雰囲気や空気感が想像できません。セリフしかない小説は「台本書き」などと呼ばれ、嫌煙されることもあります。
「とはいえ、セリフの間を埋めるのって難しい!どうしたらいいの?!」と思う方、難しく考えなくて大丈夫です。

A)「…………(セリフ)…………」
 嬉しそうにAが言った。
B)「…………(セリフ)…………」
 そう言ってAは笑った。
C)「…………(セリフ)…………」
 そう告げたAの顔は嬉しそうに見えた。


どんな風に言ったのか、なぜ言ったのか、言った後どうしたのかなどを書きましょう。
同じ「嬉しい」でも書き方は色々、原作の世界観やキャラらしさに沿った表現を考えるのは楽しいものです。でも書きなれていないうちは、「誰が言ったのか」「どんな言い方だったか」「どうしてそう言ったのか」など事実を伝えることが最優先。表現方法の探求は、小説を書くことに慣れてからで大丈夫です!

【8】”結び”の一文を書く

小説ってどうやって終わらせたらいいの?!というのも、不慣れなうちは困るポイントですよね。小説を慣れてくると余韻を残す文章や次につながる表現を考えることも楽しみの一つになりますが、初心者のうちはまだ難しいですよね。初心者の方は、「定番の表現」に沿って終わらせるのがおすすめです。
定番の表現とは、①キャラの動作、②キャラの気持ち、③キャラが見ている景色です。

動作:ドアを開ける、歩き出す、笑う、手を振るなど「区切り」になりそうな動作で物語りを終える。
気持ち:物語の間に変化した感情や改めて噛みしめる気持ちなど、視点をおいているキャラの感情を素直に描写して物語りを締めくくる。
キャラが見ている景色:空が青い、いつの間にか夜になっていた、気がつけば教室に二人きりになっていたなど、見えている情景や時間の経過によって変わった景色などを書いて物語を結ぶ。

いかがでしたでしょうか。
【1】~【8】に沿って書いていけば、一つの物語が完成するはずです。「書いてみたいけど、何から始めたらいいか悩んでいる」という方は、まずは一度!テンプレートに沿って書いてみてください。

そして、初めて小説を書く時の一番の注意点は、「いきなり高難度のものに挑戦しないこと」です。登場人物が複数だったり、場面がどんどん変化する小説、長編小説は避け、「受けと攻め二人」の「ある場面」を描写する小説から始めるのがおすすめです。
短編を一話、二話……と場面を重ねて連載にすれば、長いお話にすることもできます。練習を重ねて小説を書くことに慣れると、自分らしい表現や原作の雰囲気を感じる文章を書けるようになります。三人以上の人物を動かしたり、場所の移動や時間や季節の移り変わりを伴う長編だって書けるようになる。
そのためには、まずは最初の一歩!書いてみて、眺めて、自分を褒めてあげること!そこからひとつずつ階段を上がっていきましょう。

小説を書いてみたい、でも難しそう……
わかります!最初の一歩は誰しも勇気が要るものです。でも、踏み出せば世界が変わります。大切な推しが自由に動く世界。見たかったシーンや聞きたかった会話が存在する世界。それが「二次創作」の世界。自分だけの物語が作れる、自分の萌えを形にできるって素晴らしい!
めちゃくちゃハマるジャンルができた方、大好きな推しに出会った方、まずは一作!ぜひ気軽に二次小説に挑戦してみてください。

ありがとうございます。 好きを形に!たのしく同人活動!を目標にがんばります!