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【二次創作】二次小説:中編・長編小説の書き方

第二回のコラムは、より長くて、よりストーリーのある中編や長編を書いてみたいと思った方向けです。ちなみに、一般的に「中編」は10万文字くらい、「長編」はそれ以上のものを指すことが多いようです。
私が書いたことがある小説の最大文字数は、20万文字程度。これまでの経験をもとに、中編や長編の「自分なりの」書き方をまとめていこうと思います。

【1】プロット:「起承転結」を決める

プロットを立てる時、まず最初にすることは、物語の「起承転結」を決めることです。
起承転結とは、起「AがBに恋をする」承「Aの勘違いですれ違ってしまう」転「誤解が解けて両思いだと気づく」結「幸せラブラブなエンディング」とか、そんな感じのストーリー展開のことです。中編なら「起承転結」、倍の長さの長編だとしたら、「起承転承転結」という感じで、二回くらい山場があってもいいかもしれません。
日常のお話がつづくパターンも悪くはないと思いますが、山や谷があったほうが読む人は楽しいですし、「承」や「転」で「えっ、どうして?!」「どうなっちゃうの?!」とハラハラしてもらえるのは、書き手としても嬉しいものです。

【2】プロット:「起承転結」に肉付けをする

この「起承転結」にどの程度肉付けをして「プロット」とするのかは、かなり個人差が出るところだと思います。私の場合は、「第一話」「第二話」……と連載形式にすることが多いので、「起」を1~3話、「承」を4~6話……というように章にわけて、おおまかな内容を決めるまでを「プロット」としています。

【3】視点を決める

一人称で書くか三人称で書くか(神視点か視点を誰かに固定するか)は、あらかじめ決めておくべき重要なことです。視点が途中で変わったりすると読む人は混乱してしまうので、必ず固定して変えないようにしましょう。

一人称のメリット:主人公の感情をダイレクトに表現できる、視点が常に一定なので書きやすい
一人称のデメリット:視点が固定されてしまうので、主人公以外の感情が見えにくい、主人公がいない場面を描けない

三人称のメリット:より広範囲の表現が可能、複数のキャラクターの動きや感情を描写できる
三人称のデメリット:一人称より技術が必要、技術がないと「これ、だれのこと?」と読み手が混乱してしまう

個人的には、夢小説だと一人称、BL小説だと三人称で書くことが多いです。夢小説は恋愛感情重視でドキドキしたいし、BL小説はストーリーや二人の関係性の変化も含めてハラハラしたいというのが理由です。
また、キャラ×夢主の小説の場合、主人公は夢主と考えがちですが、キャラ目線で「夢主のこと、好きだなあ」と書くのもかなり萌えるのでおすすめです!

【4】三人称(一視点)のメリットについて

三人称(神視点)とは、すべての登場人物を神様のように天から俯瞰して客観的に書いていく手法です。三人称(一視点)とは、登場人物の一人に視点を固定して場面を描写していく手法(登場人物の背後に立っているようなイメージ)です。

「神視点」を上手に操ることができれば、すべての登場人物の動きや心情を客観的に表現できるため、より多彩な物語を描くことが可能です。しかし、如何せん難しい……!よほどの技術がないと、「えっ、これ誰のこと?」と読む人を混乱してしまうのが「神視点」です。

「一視点」であれば、視点が一人の人物に固定されるため、こういった混乱は起きにくくなります。複数の登場人物の行動を描写する場合も、一人から見える情景として描くことになるので、わかりやすく、複数の人物の動きを表現することができます。
一方で、「一視点」で「心情」を描写する場合、ダイレクトに感情を描けるのは、視点を固定した人物だけになります。固定した人物以外の「心情」は、動作やセリフを使って表現しなければなりません。この点についての解決方法は、以下の「⑤連載形式をおすすめする理由」に記載していきます。

【5】連載形式をおすすめする理由

一人称にせよ三人称にせよ、視点を固定した方が、小説は断然に書きやすいです。でも、「Aの気持ちもBの気持ちも書きたいし、Aがいない時にBが何をしていたかも書きたい!」なんてこと、ありますよね。そんなとき、「連載形式」を使えば、各話で視点を変えて書くことが可能になります。
基本はA目線で書いていって、途中のいくつかをBや他キャラにしてみると緩急がつくと思いますし、夢小説なら、一話は夢主、二話はキャラ……と交代で書いていくのもとても萌えますね。
他にも、「章を区切ることでストーリーにメリハリがつくので書きやすい」、「オンラインにアップした場合、一話ごとに感想をもらえるとやる気につながる」など、「連載形式」の小説にはいろいろなメリットがあり、とてもおすすめです。

連載形式を採用する場合の文字数の目安は、一話が短編一本と同じ「3000~8000文字程度」が適量かと思います。各話ごとの文字数をそろえる必要は特にありません。
プロットという骨組みができたら、あとはどんどん書いていくだけ!途中でストーリーが変わっても、そこは気にせずに書いていきましょう。「自分だけのストーリー」が完結した時の達成感と喜びは、短編以上!何度も読み返したくなる物語がきっと完成するはずです。ご参考くださいませ。


ありがとうございます。 好きを形に!たのしく同人活動!を目標にがんばります!