「ニュースバリュー」の罠にご注意。

もう何度目か分かりませんが、また懲りずにブログを初めてみようと思います。いつか続くようになればいいので、それまでに何度挫折したって構わないですし、始めなければ続きようがないですから。


さて、企業で広報を担当していると当然ながら「ニュースバリュー」を意識します。日本語で「報道価値」です。プレスリリースのネタ候補がある場合、広報的にはどこにニュースバリューがあるかを考え、より多くの記事掲載を獲得できるように、そのネタをよりよく見せたいという心理が働きます。

しかしこの言葉、少し注意が必要な罠があると思い始めました。

ニュースバリューを意識すると、新奇性だの話題性だの、記事になりやすいポイントを考え始めます。つい、それを何とか見つけ出し、エビデンスを集めるなり理論武装して、より多くのメディアが食いつくように見せたいと欲が出てきます。この時点で、メディア(記者)に対するリスペクトを欠いた、エゴイスティックな「宣伝」にメディアを利用しようという考えに陥ってしまっています。

それは本当に「バリュー」なのでしょうか。

ニュースバリュー=報道価値とは、報道の先の読者・視聴者にとってのその情報を受け取る価値であるはずです。読者・視聴者が、「なるほど」とか「面白いな」とか「いや、それはまずいな」とか、何かしらその情報を受け取ったことによって発見や気づきを得られることに価値があります。

したがってニュースバリューとは、本質的には新奇性や話題性などではなく、そもそものソーシャルバリューあるいは the value であるはずです。

企業広報は、発信したいネタについて、その本質的なバリューを見つめることに神経を使う必要があります。そのうえで、読者・視聴者にとってその情報を知る価値があるとしたら、どのような発見や気づきを提供できるだろうかと考えていくべきでしょう。

メディア(記者)とその先の読者・視聴者へのリスペクト(礼)を忘れないようにしていきたいと思います。

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