ホスピタリティの現場から

サービス品質向上を目的としたバス事業会社の研修をご依頼いただいています。かれこれ3年目になるでしょうか。最近感じるのは、利用する(この場合は乗客)側のマナーやちょっとした配慮がもう少しあればなぁということです。「バスが停止してから、席をお立ちください」とはっきりアナウンス(運転士の皆さん、がんばってトレーニングしています!)しているにもかかわらず、バスが止まる前に中腰(特にご年配のお客様に多い!)になり先に先に行こうとする乗客が少なくありません。降りるときも「ありがとう」をお忘れの方が案外いらっしゃいます。他にも、停留所の並び方や車内の譲り合いについても、同社が行った<お客様アンケート>で「(自分たち)乗客のマナーやモラル向上が必要」「運転士さんの努力に頭が下がる」といった意見も以前より増えてきました。サービス向上を目指すなかで、日ごろ現場が抱えているであろうある種の理不尽さや葛藤にも、目を向けるようにしています。「ガス抜き」ではありませんが、一方的にサービス向上!と掲げるだけでは前に進むことは難しいと思うのです。

写真は私がしょっちゅうお世話になっている飛行機の機内(座席)です。

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定時運行を掲げ、機内の整頓・清掃も客室乗務員が行っています。機内アナウンスで、使ったブランケットや機内で配ったお菓子の袋、お弁当の包みやペットボトルも、飛行機を降りるとき出口に控えている客室乗務員に渡してください、と言っているにもかかわらず、あちこちに置かれたままになっている様子は<「もてなし」の国>にあって、残念です。私も手が届く範囲で、出口に向かうときにちょっと回収するように心がけていますが、急ぎ足で出口に向かう人の勢いに押されることもしばしばです。一方で、オンタイムは当たり前、ちょっとした遅延にも神経をとがらすのに・・・。
あるとき横に座った小さな女の子が、降りるときにシートベルトを椅子の上にきちんとおいている光景を目にしました。「どうしたの?行くよ」と声をかけるお父さんに「だってこうしたほうがいいでしょ」と答えた彼女は、きっと素敵な大人になるんだろうな、と思いました。
ちょっとした、当たり前の気遣い(とまでもいかないこと)が、大きな力になって現場を支えるのは間違いありません。と、自分自身も省みよう。

弊社HPでは、少々固めのコラムなので「ど~れ、書くか!」という感じですが、note ではホスピタリティの現場で感じたこと、心動かされたこと、考えたことを、もっと軽やかにご紹介してまいります!

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