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総務部は今日も節操がない

※ 本記事は SOU-MU部 Advent Calendar 2022 の記事としての投稿です。

 はじめましての方ははじめまして。お会いしたことのあるかたはこんにちは。ふらふらと申します。せっかくオフラインの SOU-MU Night が開催されてるってのに、なかなか参加できず、切歯扼腕しています。来年は絶対参加したい!と旅費をためているところでございます。

 さて今回はこの1年間やってきたことを通じて「総務ってどんな存在になっていればいいんだろう」を振り返ってみたいと思います。

■ 私の現状

 実はちょうど1年前に転職し、社員数 30 人くらいの会社で情シス(仮)をやっています。入社して、数ヶ月して、名刺を見ると…

「コーポレートIT/総務/労務担当 マネージャー」

となっております。…おっと、慌てちゃいけません。組織図を見てみましょう。私がマネージャーとして見ている機能は以下のとおりです。

「法務」「人事」「役員室」「総務」「労務」「コーポレートIT」「自社システム管理」

 わーお。

 これでも2個くらい減ったんですけど…多いですね、うん。なので、対外的にはざっくりと「私ですか?IT よりの総務でーす」などと説明しています。

■ 1年間で取り組んだこと

 基本的には、お金関係は経理のマネージャーがガッチリ、人事系は経営層がやっているという状況で入社しました。総務系は、兼任で片手間で行ってくれている人や、なんとなく協力してくれる人がいて、なんとか成り立っているという状況です。

 そんななかにポーンと入っていったい何をやってきたのか(公開できるものだけ)羅列してみます。

・ 法務として

 顧問弁護士とのやり取り(詐欺サイト作られたどーしよーとか)
 社労士の先生とのやりとり(コロナ対応どうすっぺーとか)
 コロナ対応窓口(仙台市のガイドラインに準拠するぜとか)
 利用規約やプライバシーポリシーの改定
 各種申請・届け出したり(消防法関係とか)
 改正個人情報保護法対応したり
 電帳法やインボイスの対応準備をしたり

・ 人事として

 組織図作ったり
 座席表作ったり
 教育研修サービス調べたり準備したり
 コーチングやらレジリエンスやらのセミナーを受けたり
 1on1 したり
 副業解禁に伴う制限事項を告知したり
 休みのワークフロー改定したり
 入社フロー退職フロー作ったり
 採用戦略作って実行したり失敗したり
 人材配置計画に口出してみたり

・ 役員室付・総務として

 BCPの策て…あ、忘れてたこれ
 各種社内申請の電子化を実現したり
 社員情報データベースの作成したり
 SNSの中の人担当をひっそりやっていたり
 オフィス工事の段取りしたり
 スパゲッティな LAN ケーブル配線して涙目になったり
 安全衛生推進者になったり
 防火管理責任者になったり
 各種イベントの席次つくったり司会やったり 

・ 労務として

 健康診断のとりまとめしたり
 勤怠管理したり
 コロナ関連の対応したり
 休業の対応したり(社労士さんにお任せだけど)
 残業申請ルール作ったり

・ コーポレートIT・自社システム管理として

 M365 導入したり
 これ幸いと Power Automate に課金したり
 Power Automate Desktop と連動させて売上集計自動化したり
 Power Query の伝道師をしたり 
 各種集計の自動化とアラートを実装したり
 Slack 有料化になったのであれこれしたり
 Sharepoint と仲良くなろうとして撃沈したり
 Trustlogin 入れてパスワードレス環境作ろうとしたり
 MF クラウド使った請求書のペーパレスをしてみたり
 IVRy 導入して受電自動化してみたり、分析データ作ったり
 cybozu つかって申請ワークフローをペーパーレスにしてみたり
 クレジットカード不正利用対策システムの提案してみたり
 インフラの棚卸しとデータ化をしてみたり
 古い PC を魔改造して現役バリバリのマシンにしてみたり
 社内システムカオスマップつくたり
 全業務のシーケンス図作ったり

こんなことしてたみたいです。やー、我ながら節操ないですね。

■ 総務の業務内容に見る「節操の無さ」

 わーすごい、多彩なことやられてるんですさぁすがあ!と褒めてもらいたいわけではないのです(褒めてくれるなら嬉しいですけど)。

 や、勘違いしないでください。私ってばこんな事できちゃうんですよと自慢したいわけではないですからね。

 何を言いたいのかというと、「わたし」ではなく、「総務」は、「総務という職務」はこれくらい多彩なことをやることが許されている職業ですと言いたいのです(もちろん、社風に依るとは思いますけど)。

 総務って「あの人達一体何してんの」と言われることが多いと思います。

 それはおそらく、広く浅く、さり気なくやっていたり、社員の目に触れない部分でいろいろと活躍しているからと言うのが一つの理由だと思っています。ビルの空調がちゃんと動くように交渉してるのも、勤怠とかちゃんと打刻してない人にちくちくしたりするのも私ら総務の仕事なんですわ。おらー打刻してない子はいねがー!

 一方、華々しく行う業務というのもあったりしますよね。全社会議の司会とか、Slack の全体チャンネルで愛を年末調整の締切日を叫んだりとか。

 つまり、影に日向に動く我々はいい意味で節操がないわけです。それでいいと思いますし、そのことこそが存在意義と言ってもいいんじゃないかなと思います。

 得てして節操がないヤツというのは、どこの何に口を出しても、まあ一応、許されるキャラクタであったりポジションだったりします。

つまり、

節操なく、なんでもできるし、なんにでもなれる。
それが我々総務の本質なんじゃないかなと思うのです。

■ 総務部は今日も節操がない

 総務部とか管理部というポジションを数社で経験してきました。だいたいの場合において、まあ、正直、「定型業務やって定時で帰るよ俺らは」な雰囲気やニオイを感じる部署ですよね。私もその一員だったので批判なんてできたもんじゃないんですけど。

 でも、上述の通り、我々は節操なく動くことが出来るし、それを許されていると捉えると…ゆるゆるやっているのはとてももったいないことだと思うのです。IT 系での業務改善にチャレンジするも良し、会社の仕組みを変える提案をしても良し。現場が喜ぶであろう施策の予算獲得に奔走しても良し、逆に経営層の苦渋の選択を同現場に伝えるかに悩んでも良し。なんでもいいんです。

 チャレンジすることが許されている環境というのは、意外にあるようで、実際には少ないのです。もしあなたが総務なら、あなたにはチャレンジするチャンスが付与されていると言えるわけですよ。

 なので、節操なくやっちゃいましょう。会社を変えるのは我々総務ですくらいの気概を持って!

 …え?前例もないし、許可もおりない?

 そんなあなたに、こんな言葉を贈ります。

It's easier to ask forgiveness than it is to get permission.

Grace Murray Hopper COBOLを開発した女性プログラマ

「許可を得るより、(やっちゃってから)謝罪をしたほうが簡単よ」という意味です。

 会社や組織において許可を得るのはとてもとても大事なことです。それは否定しませんが、ある程度までやっちゃうという動きも、同じくらいとは言いませんが、大事だと思うんですよね。

 だから、節操なく、やっちゃいましょう。

 もちろん、用法用量は守って、クビにならない程度に。

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