ホラーな仮面のイラスト1

愛され情シスになるための13 のハック

 本記事は「corp-engr 情シスSlack(コーポレートエンジニア x 情シス)#2 Advent Calendar 2019」にリンクされている記事です。社内 SE ≒ コーポレートエンジニア ≒ 情シスのみんなが集ってワイワイしている、情シス Slack で企画されたものです。よろしくお願いいたします。

■ 自己紹介

 はじめましての方ははじめまして。またお前かの人は毎度どうも。前回の記事がバズってビビってぷっぷくぷーです。

 「今は」仙台でコーポレートエンジニア(=情シス・社内 SE )を生業としているふらふらと申します。

 東京で開催された情シス Slack の勉強会で、私を見かけた方もいるかも知れません。オシャレ空間に恐れをなし、アルコールに逃げ、酔っ払い、あまつさえ技術のことなど一言も触れずにお金の話をしたあのハゲメガネです。いえーい、みんな見てるー?

■ 13日の / 金曜日

 13 日の金曜日というと何を思い浮かべます?私はノータイムで映画「13 日の金曜日」です。ホラーに分類されていますが、人間の心の動きを追っていくと、とても、とても悲しいお話なのがわかります。スケベシーンを目的に見ていた子供時代のワタシをぶん殴りたくなりますね。

 さて。この「13」という数字。北欧神話やキリスト教では「忌み数」として扱われています。とはいえ、フランスだかイタリアだかでは幸運の数らしいですね?沖縄でも「13 祝」なんて風習があるそうです…結局、この数字が良いのか悪いのかさっぱりわかりません。まあ良いです。素数だねーくらいにしておきましょう(雑)。

 一方、金曜日といえば、我々情シスに縁が深い曜日です。ほら、アレですよ。7 月の最終金曜日。System Administrator Appreciation Day、そう、システム管理者に感謝を捧げる日として有名です(よね?)。

 現実には感謝されたり、祝ったりされることは、ほぼ、ありません…でもそれって、「感謝しない方」に原因があるのでしょうか。我々側にもなにか原因があるのではないでしょうか。感謝はされたい。褒めてほしい。どうすれば、どうすれば良いんだ!

 というわけで。

 「愛され情シスになるための13 のハック」

を勝手に作ってみました。

1.手を止める

 「あ、情シスさん、ちょっといいです?」と言われて、ちゃんと手を止めていますか?ついつい我々、キーボード打ったまま返事したりしてません?何かを操作してる最中なら「ごめん今ちょっと無理ー」と返してあげると良いのかな、と思います。そうでないなら、きちんと手を止める。意外に重要な気がします。

2.視線を向ける

 手を止めて、相手に視線を向けていますか?ついつい我々、作りかけのプログラムを目で追ってしまっていたり、実行結果を注視してしまっていたりしてません?無理なら無理でいいので、そう伝えるそのときくらいは視線を向けてもいいのかもしれません。

3.返事をする

 返事してます?気づいていない場合は仕方ないとしても、気づいてるのについつい返事をしたくなくてスルーしちゃったりってことありません?返事をするくらいで失われるものは、そんなに無い気がしますので、ぜひ元気よく。

4.挨拶をする

 手を止めて、視線を向けて返事をして。さて次にどうしましょう。情シスに話がある時というのは、まあその、だいたいろくでもないことが待っているときです。相手がちょっと慌てている素振りを見せてたら確実に。
 もしそうなら、返事のあとに挨拶をしてみると良いかもしれません。
「はーい。お、〇〇さんじゃないですか。おはようございます。」と言っておけば、とりあえず挨拶を返してくれるでしょう。
「はーい。おやおや、なんですか、だいぶご機嫌麗しそうじゃないですか」と軽口をたたけば「いやそれがぜんぜん麗しくねえんだわ…」という返答が返ってきます。これが、相手にも自分にもワンクッションになってちょっと落ち着きます。おすすめデス。

5.ボディランゲージに気をつける

 イライラしたっていいじゃないか、にんげんだもの。

 とは行かないのが情シスの悲しいところ。ノンバーバル(非言語)な部分で不機嫌感とか焦りとか出してません?ちなみに私の場合、焦ってるときは無意識に指を連打する癖があるようです。こういうの、意外に相手に伝わっちゃうもんです。癖の棚卸ししてみるなんてのも面白そうです。

6.機嫌をコントロールする

 いきなり難易度が上がりました。難しいんですよこれ…。とはいえ、参考になる「やり方」はネット上をちょっと探せばゴロゴロしています。たとえば、アンガーマネジメント。たとえば 6 秒ルール。自分にあったやり方を探すのも楽しいもんですよ。

7.受け入れる

 「何もしてないのに壊れたんだよねえ」とボヤきながら問い合わせしてくる人、いるじゃないですか。ついつい「何もしてねえのに壊れねえよ!!」といいたくなりますが、ひとまず受け入れましょう。昨今は Windows Update 失敗して不調になる(≒ ユーザーは何もしてないのに壊れた)なんてことも現実にあります。ので、「絶対なんかしたでしょ」と言ったり疑ったりせず「うんうんそうかそうか」とひとまず受け入れてみましょう。

8.褒める

 我々 IT エンジニア界隈には「褒めるという文化」がありますよね。それを情シス業務にも適用してみると良いかもしれません。トラブルを隠さず持ってきてくれたことはとても偉い。自分でどうにかしようとせず相談に来てくれたのも偉い。企画案に対して返答してくれるのも偉い。思うだけじゃなく「おっ、いいタイミングでトラブル持ってきましたね」「その発想はなかったわー…さすが!」などと言葉に出して積極的に褒め倒すと、良い効果がいろいろ生まれる気がします。

9.IT 以外にも頼る

 我々情シスは、当たり前ですが IT で問題解決をしようとします。ので、ついつい IT だけでなんとかしようとする傾向がありますよね。例えば認識の共有をするために絵を書く場合、紙にペンで書けばいいのにわざわざドローツールを使ってみたり、ドアが開いたかどうか知りたいだけなのに、センサー買ってきて IoT なものを仕込んでみたり。いやいやいや…まあそれもいいんですけど、手近な物理で殴ることも考慮に入れておきましょう。

 え、電子工作を会社の金でやるのが良いんじゃねえかって?お、おう、それぁまあ、うん、せ、せやな。LT ネタにもなるし。

10.リフレーミングする

 リフレーミングというのは、物事の捉え方を変えることで「プラスの要素を探す」技術と私は捉えています。「あと 5 分しかない」ではなく「まだ 5 分もある」と捉えるという感じです。
 前回教えたにもかかわらず、毎回毎回同じことを聞いてくる人とかいるじゃないですか。「この忙しいときに…いい加減にせいよ」と思っちゃうのは仕方ないです。そこで終わらずもういっちょ踏み込みましょう。プラスの…プラスの要素を…探して…こんな感じ?

「ど、どうしてもボクとお話したいんだねデュフフフ・・・」

 賛否の否しか無い気がしますが、こう思ってしまえばちょっとはマシじゃないですか。頭を切り替えるのにも有効ですのでぜひ。

11.雑談する

 例えば目の前でパソコンの様子を見なきゃいけないとか、プレゼンしようとしてモニターの準備を整えている時、とりあえずなんか喋るというのはいかがでしょう。アイスブレイクにもなりますし、なんとなく無言で気まずいという状況も防げます。雑談からトラブルの原因が判明することも、いいアイディアが生まれることもありますしね。

12.相談する

 我々、どうしても「結論はこうです(キリッ」とやりがちじゃないですか。例えば「この壊れたパソコンからはデータを取り出せません。無理です。」という言い方をしちゃったりします。技術的には正しくても、相談者からすればガッカリ。このガッカリ感が増幅されると「情シスが復旧できねえってさ。マジ無能やわー」などと吹聴される羽目になってしまうのです。やんぬるかな。

 そこで「いろいろやってみたんですけど、データを取り出すのは難しそうです。どうしましょう?」と聞いてみるのはどうでしょう。相手から思いもかけないアイディアがでてきたり、そこで話すことでなにか違う方針を思い浮かぶかもしれません。なにより、「情シスに言われた」ではなく「二人でそういう方針で動こうと決めた」となるので、軋轢が生まれないことが多いような気がします。

13. 次に繋げる

 ふぅ、ようやくラスト。
 「次のご来店をお待ちしております」を必ずやるようにしています。トラブル対応・企画提案・外注パートナーに対しても同じです。一番怖いのは「アイツに言っても塩対応だからなあ…」という気持ちにさせてしまい、集まるはずの情報が集まらないことです。知らない間にあんなことやこんな事があっちこっちで起こって、理由も意味もわからないまま対処に追われるなんてのは、情シスにとっては悲劇です。でもそれ、もしかしたら、「自業自得」という側面もあるのかもしれませんよ。

■ まとめ

 いかがだってでしょうか。身につまされました?私は自分で書いたくせにめっちゃダメージを受けております。いやあ…出来てない。

 この13項目で言いたいことはつまり、「我々に用事がある人に対して心理的安全性を担保しよう」ということです。タダでさえ、情シスは何やってるかわからねーだの、規制かけてばっかりだだの、管理側の都合しか考えないだのと言われることが多いポジションですからね。

 それでも、会社や組織の成長のために、または、自分のためにもいろいろなアクションをしていかなくちゃいけません。そのためには現場の情報が必要です。それを引き出すための一つの施策として「愛され情シス」を目指すのもアリなんじゃないかなあとおもったのでうんうんいいながら書いてみました。


 アドベントカレンダーもそろそろ折り返し。クリスマスまでもう少し。

 私は、クリスマスが近づくと、ディケンズの『クリスマス・カロル』を読み返します。そこからちょっとだけ引用して、この記事を終わりにしましょう。メリークリスマス。みんなにとって良いクリスマスであることを、切に祈っておりますよ。

that while there is infection in disease and sorrow,there is nothing in the world so irresistibly contagious as laughter and good-humour.

訳)病気と悲しみは伝染するものだが、笑いと上機嫌ほど伝染しやすいものはない

(了)

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