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「GYOMU Hackers Night Vol.15 業務改善の社内価値の計測方法」に参加してきました

 昨晩11月26日、GYOMU Hackers Guild(業務ハッカーズギルド)のイベントに参加してきました。仙台の WingArc1st さんの会議室で、計 6 名で LT を見、その後にいろいろとお話をするという形式です。

GYOMU Hackers Guild とは

 業務ハッカーズギルドとは、facebook グループの説明によれば下記のとおり。

日々裏方として全社の事業運営や業務効率化を推進するみなさま。エンジニアのイベントに参加しても技術の話がメインで運用の悩みを相談できないといったことありませんか?

 いわゆる課題解決・業務改善のナレッジ共有して解決していこうとするコミュニティです。

 上述の通り、技術の欠片を取得することは出来ても
「技術を実務にどう使うか」
「どういう組み合わせで使うことができるか」
というお話はなかなか聞く機会がありません。

 最近はありがたいことに情シス Slack が立ち上がり、状況はずっと良くなりました。ですが、地方からの参加者はほぼゼロ(のようにみえます)。

 これはつまり、地方・地域ならではの悩み、首都圏とは全く異なるリテラシーレベルの中でどのように課題解決をするか、業務改善をするかというナレッジが表に出てこないということでもあります。。

 なので、今回、「仙台という地方都市で」「何人かが集まって」「一緒に東京のイベントを見て話ができる」という稀有どころじゃない機会があると聞いて飛びつきました。ついに地方の情シスと、会うことができるんです(興奮)。

 このような機会を用意してもらえて、本当にありがたいと思っています。MiRy さん、俣江さん、本当にありがとうございます。

イベント概要

「GYOMU Hackers Night vol.15 業務改善の社内価値の計測方法」と銘打たれた今回のイベント。題名からしてそうなんですよちょっといっぱい飲みに行きますかといいたくなるようなアレです。

 いくら情シスが業務改善をしても、その価値が正確に、あるいは、労使双方が納得行く形でひょうかされることは殆どありません。そも、業務改善をする方も、される現場も、その評価をアピールされる経営層ですら「業務改善をしたという社内価値」を計測するのはとても難しいのですもの。

 難しいからできないよね、では働く人のモチベーションは続きません。また、企業側からしても、優秀な人材が闇に落ちるのを指を加えて見ているだけになりかねません。最近、情シスが所属していた会社の全データを消去して逮捕されたという痛ましい事件も起こっています。ダークサイドに落ちない・落とさせないために、どう評価し、どう計測すればいいんだろう…?というのが今回のテーマです。

LT( Lightning Talk)

 LT というのは「決められた時間の中で話をすること」です。「投資を止めるな!」と題したフクイさんのお話が1発目。ダイジェストは以下の通り。

 業務改善で費用対効果を出すのは難しいが、なんとかアピールはしなければいけない。じゃあどのようなアピールが効果的だろうか。

 工数削減は人員削減を招き、より大変なことになってしまう。
 売上利益への貢献は本当に寄与したのか因果関係を証明しにくい。
 アンケートをのは集計が面倒だしエビデンスとして弱い。

 それでも、人前でアピールしなければいけない。
 内部においてはなるべく大勢の人の前でアピールをし、少数へのアピールでありがちな「論破されること」を防ぐ。
 外部においては社外勉強会やコミュニティで他者から褒められるという成果を得、社内に持ち帰るというのが効果的だった。外部権威に弱い日本人に「刺さる」から。

 つまり、こういうコミュニティでガンガン発表を行い、アピール慣れをすると同時に社外から褒められること・認められることが肝要だと思うよ。

みんな LT しようぜ!

 2発目は「業務改善の社内計測の評価方法」と題したおかもとさんの LT。

 社内の業務改善を行おうとする場合、たいてい、「改善する対象とやる人」はリンク済み(人事制度なら人事/労務、システムならエンジニアといった具合)。

 しかし、コーポレートエンジニアという存在は横断的に業務を理解し、業務改善という名のもとにどこにでも入っていくことができる。

 通常作業は RPA ツールを使うことで改善し、物理制約はリモートワークを推進することで取り払った。機器故障はオンプレミス(=物理的にそこにある)なものではなく、クラウド化を進めることで故障率という概念を失くした。

 価値がある=「改善したものが活用されている」と定義する。

 活用する・使ってもらえるためにはファンを作らなければいけない。ファンを作るためにはどうするか。改善したものを一緒に使い信頼関係を高めていく。また、改善を使用しているか否かを自動で計測する仕組みも仕込んでおく。

 そうすると、先に定義した「価値がある」状態が存続しているのか自動で数値化できる。

 改善を行い、ファンを作り、価値を定義し、集計する。これを回すことできちんと評価につながる数値を出すことができる

 3発目は Freee の CIO、とささんによる「業務成熟度評価」の LT。

 業務ハックは昔と比べて難しくなってきている。
 オンプレミス時代は要件定義→開発だったが、クラウド化が進んだ現在では、要件を理解することはもちろん SaaS の広範な知識も必要になってきた。
 業務ハックチームは他部署から「どうやってんの?なにやってんの?だいじょうぶ?」などなどと声をかけられる。心配に応えて評価を見える化してみた。
 まず評価対象と評価軸を作った。評価レベルは cobit の成熟度モデルを参考にした。
 これをレーダーチャート化し、何が足りないのか、どこを評価しているのか、どこを拡大するべきかを話すための共通言語にした。本人と評価者はもちろん、内外に納得感のある評価指標が出来たことで透明性も担保できた。

お悩み相談室

 LT が終わり、マイクを回してのお悩み相談室と相成ったが、音声がいまいち聞き取れず。どうやらこう…業務改善を阻む現状維持勢をどうやったら鼓舞できるか?という話だったようだ。

テーブルトーク

 仙台では 6 名でトーク。情シス経験者の代表取締役・RPA な営業課長・データサイエンティストな営業マネージャ・情シスリーダー・Webマーケターの 5 名と、ザ★平社員である私が構成員である。

 話題は「どうやって業務改善とか働き方改革してる?」からはじまり、RPA 導入の際のベクトル(業務整理→自動化 vs ツールによる標準化)、自動化・業務改善をするにあたってのデータをどう揃えればいいか、リテラシーを高めるにはどうしたらいいのかなどなどを 30 分程度お話。それぞれの立場、それぞれの状況はある程度透けて見えるうえに目の前にいるのでまさに「リアル」な話を直接聞くことができました。いやあ貴重な機会でした…。


雑感

 LT は大変勉強になったものの…

「嗚呼首都圏はこんなにも眩しいのか」

と思ったのが正直なところ。眩しすぎるがゆえに、私の中に「地方の闇」が色濃く刻まれた瞬間でもあった。

 そもそも地方でいう社内SE・情シスなんて「コンセント入ってるもの全部メンテしてナンボ、あとはヘルプデスクが主な業務でしょ」という認識の会社が多い。

 つまり、業務改善をする立場の人間・部署という認識すらないケースも多々ある。今回のお話はそのあたりは既にび越えた後の評価方法についての話がメインだったように思える。

 とはいえ、アピールの仕方や話の持っていき方、概念や価値をどう定義するのかという考え方は非常に参考になった。今回の話を参考にし、我々は業務改善に寄与するチームなのだというアピールをしていければと思う。

 情シスに近い、あるいは、業務改善に近い立場の地元の人達と話ができたのはとても大きかった。次回も集まって中継をする場を作っていただけるとのこと。こういうコミュニティが存続し、大きくなれば、もっともっと低いレイヤーで苦しんでいる情シス・管理部門の人たち、あるいはマネージャー層や経営層があつまり、いろんな現場の知見を共有できるんじゃないかなと思うし、そうであってほしいと切に願っています。

 業務ハッカーは地方にこそ足りていない。地方に来てもらうか、地方で育ってもらう土壌を作れるようなことをやっていきたいと改めて思ったというのが今回の(個人の)感想です。

 改めて、イベント主催・運営をしてくださった皆様、ありがとうございました。

資料


 

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