M-1アナザーストーリー完全版でボロ泣きした

ちょっと昨日に引き続きM-1のDVDの話。

※以下多少ネタバレあるので、買ってない人は買って見てください。




M-1グランプリ2019のアナザーストーリーは、ABC系列で放送されたものは既に見ていた。し、当時アホみたいに泣いたことは覚えている。
が、今回M-1グランプリ2019のDVDにも特典として完全版が収録されていたので、またもや見てしまった。

内容としては、地上波でやっていたものとほぼ同じものだった。
決勝3組のミルクボーイ以外のVTRを増やした感じか。あと何故か和牛のVTRも他の組に比べて多かった。正直、だったら他の組VTRも多くしてやれよと思った。(敗者復活は順位関係なく例年Vが多いなら許す)ちょっとその期待を込めて買ったところがあるのに、取材してるはずなのにもったいない。(もちろん一切ないわけではなく、小出しにはしてる)
もちろん決勝3組のアナザーストーリーとしてはめちゃめちゃ良いドキュメンタリーになっているのは確かだ。残念ながら、これが勝者の特権というもの。

基本的にM-1で漫才を披露した順番に紹介していくのだが、
ニューヨーク、1番だったので仕方ないが、「大健闘だったけど初出場だったのでM-1の空気に飲まれました」みたいな片付けられ方しているのがちょっともったいない。松本さんの評価に対しての屋敷さんのコメント満点だったのに。

その後のかまいたち、ラストイヤーだったからだろう、取材に気合が入っていた。
VTRで「今回ラストイヤーだけど出場するか迷った」という話がでた。今回のM-1の出場者が5040組だったのに対し、エントリーナンバー4440番のでわかるように本当に迷った上での出場だったんだろう。しかも蓋を開けたら決勝進出者は初出場ばかりで、敗者復活常連組が敗者復活に入っていないような人たちも多かった。このM-1決勝の中で1番孤独な戦いをしていたのは彼らだったと思った。そんなどアウェーの中、2番目。しかしそこはかまいたち。ほんとニューヨークには申し訳ないけど、差が凄すぎて点数が高くなってしまったんだろうなと。
かまいたちのVTRを見てて思ったのは、今、「若手が」「若手が」ってなってる界隈の中で、かまいたちを見て、中途半端に売れてしまっている芸人や、若手とは言えない芸歴の人たちが「M-1、15年満期までやってやろう」と思ってくれたらいいなと。特に和牛には火がついてほしいなと普通に思ってしまった。泣いた。

そこから和牛が敗者復活で選ばれるのだが、そこでのVTRがちょっと憎くて、ファンがよく映ってた。あたかも「みんな待ち望んでいた」感、そして視聴者投票、あれ、これ人気投票で上がってきたのかこいつらみたいな、捻くれ者はそんなこと考えてしまう。だが、敗者復活見ればわかるけど和牛ダントツ上手かったのは確か。昨年でいうスーマラのような感じ。まぁただ、あの同じネタをやらないで有名な和牛が敗者復活と同じネタを決勝でかけてきたのは本当にびっくりしたけど、そこが上沼さんに見抜かれてたんじゃないかなとか思った。

塙さんが「かまいたち和牛が凄すぎてここから出てくる芸人大丈夫かな」のような内容を口にした後、「それに飲まれてしまった初出場組、ただし、ミルクボーイ・ぺこぱは違った」みたいな流れになっていたが。
いや待て待て。
すゑひろがりずの功績をちゃんとのせてくれ!
和牛の後に出たすゑひろがりずのおかげでどれだけ場の空気が変わったか、しかもそれを本人たちがちゃんと自覚していて、和牛の後、「俺たちが来い」と言っていたカッコ良さ、是非入れて欲しかった…。

王者ミルクボーイの映像、本当に2019年まで会社からも本当に目にかけられてなかったんだろう。吉本なのにインタビュー映像残ってなさすぎて、ちょっと切ない気持ちになった。
ずっと同じネタの形でやってたけど、今年突然「ミルクボーイが凄い」って界隈でなっていた。やはり今までと何かが違かった。今年絶対M-1いくぞという意気込みが全然違かったんだろうなと。エントリーナンバーも297とめちゃめちゃ早い。
あの売れるまでのカレンダーは凄い。優勝後に今田さんが「あんなに付き合い良かったのにそれ一切やめてな…良かったな」的なこと言ってて本当にこっちもボロボロ泣いた。まぁあと床屋さんと喫茶店の話は小説1本かけるレベル。
印象的だったのは、M-1でミルクボーイネタ中の和牛が序盤中盤笑っていて、かまいたちがほんと終始真顔なところ(てかかまいたちM-1の裏でずっと真剣な顔してたけど)。2組の差が出た瞬間だった気がする。

そしてぺこぱ。オンエア版ではバイト先のシュウペイさんと当時いろんな意味で物議を呼んだ松陰寺さんの犬の散歩映像に加え、新宿バディオス付近でのネタ合わせ風景とシュウペイさんの家のV、そして何より、今までぺこぱが挑戦してきたM-1の映像が収録。これはほんと良い映像資料になった。運営ってどれだけ膨大な漫才師の資料を持っているのだろうか。これが見られるなら、M-1のDVD毎年買う意味があるなと思った。
決勝当日のぺこぱは出番が最後という、正直賞レース的には不利な順番なのだが、ぺこぱに関しては違った。今までの漫才全てが振りになっているネタだったからだ。寧ろ最後の方が良かったのだ。
その裏で和牛とかまいたちとミルクボーイはタイムテーブル的に結構ガッツリネタ合わせを始めていた。この3組がぺこぱがどんなネタやってどう盛り上がってたとか全然知らないというのは結構驚きだった。本当の意味でぺこぱはダークホースだった。オードリーぐらいの爆弾を持っていた。
ぺこぱのエントリーナンバーは846番、ミルクボーイと同じく3桁台という早い番号。2018年にこの形の漫才ができ、そのままの勢いでM-1決勝まで行ったところもすごくセンセーショナルだ。

そしてM-1が終わる。
ここから怒涛の涙腺崩壊ラッシュ。
かまいたち・和牛の労いあい、ミルクボーイが初めて手にしたグリーン車の切符、駒場家の歓喜、床屋のおじさん、
本当に、芸人さんはカッコいい。
M-1はそれを毎年再確認させてくれる。