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エコキュート (1) 「省エネ性能の比較」

この記事は注文住宅を建てるにあたって調べた情報をMemo的に書いているものです。


エコキュートに関してはコロナ、ダイキン、パナソニック、日立等の各社から製品が出ており、様々な性能や機能の違いがあります。
このページではその中で省エネ性能に限定して取り扱います。なお、当方が2F浴室洗面所構成で検討中のため基本的には高圧タイプのみで比較しております。ご了承下さい。


変更履歴

  • 2023/02/20
    電気料金を通常の契約の50円で見積もっていたので、オール電化向けの契約基準の30円に変更。三菱を追加しました。また誤記等修正。



性能比較の主な観点

カタログを見たときに省エネ性能の比較をしようとすると、まっさきに目につくのが年間給湯保温効率と呼ばれているものになります。

コロナ社の製品カタログより

年間給湯保温効率

年間給湯保温効率は1年を通して、ヒートポンプ給湯機を運転し、台所・洗面・湯はりを行った場合の給湯熱量とふろ保温時の保温熱量をその時の消費電力量で割った効率を示しています。

給湯効率

前述の年間給湯保温効率は給湯自体に必要なエネルギー以外に、お風呂の保温や夜間に給湯後実際に使用する夕方までお湯を保温している分のエネルギーが含まれています。但し、昨今太陽光発電システムを搭載している住宅が増え、また電気代が上がったことにより、昼間に給湯するためのおひさまエコキュートと呼ばれる機能が追加されました。
通常お風呂に入るのが20時程度だとすると従来は深夜帯(0時)に生成したお湯を20時間程度保温しなければならなかったのですが、おひさまエコキュートの場合は従来比40%の8時間程度保温しておけば良いことがわかります。
そのため、年間給湯保温効率の公式よりも給湯効率の重要度が高まったのではないかと考えています。
今回はカタログに記載のある 中間期標準加熱能力[kW] と 中間期標準加熱消費電力[kW] から 給湯効率を示す中間期標準給湯エネルギー消費効率 を計算して比較します



プロダクト

以下に各社のプロダクトの省エネ性能を記載します。給湯エネルギー消費効率だけを見ると保温性能がほぼ無視されるため、保温能力を上げることで年間給湯保温効率のTOPを叩き出している日立の最上位機種が3位くらいまで順位を落としてしまう点が面白いですね。なお、冬期高温給湯エネルギー消費効率はメーカー関係なく全製品が概ね同じ効率になっています。
コロナと日立の上位モデルと標準モデルは中間期標準給湯エネルギー消費効率に最も差がありますが、数字は0.5です。これが実際にどの程度かというと、毎日370Lを必ず沸かしていたとして、電気料金が30円/kWhの場合は 4,266円/年 の差になります。寿命を10年とすると42,660円の差です。微妙。そもそも冬期は効率が全機種同じになりますし、毎日全量沸かすわけではないので実際にはこれより差が縮まります。
給湯効率だけを理由に最上位機種を選択するにはちょっと弱いですね。

コロナ

  • CHP-HXE37AY5 (最上位機種)
    年間給湯保温効率: 4.0 ★2
    中間期標準給湯エネルギー消費効率: 5.1 ★1
    冬期高温給湯エネルギー消費効率: 3.0

  • CHP-E37AY5
    年間給湯保温効率: 3.3
    中間期標準給湯エネルギー消費効率: 4.6
    冬期高温給湯エネルギー消費効率: 3.0

日立

  • BHP-FV37UD (最上位機種)
    年間給湯保温効率: 4.2 ★1
    中間期標準給湯エネルギー消費効率: 4.9
    冬期高温給湯エネルギー消費効率: 3.0

  • BHP-F37UD
    年間給湯保温効率: 3.4
    中間期標準給湯エネルギー消費効率: 4.4
    冬期高温給湯エネルギー消費効率: 3.0
    ※最上位機種と比較すると極端に性能が低いので注意!
     ダイキンと同じくらい性能が悪いです。

三菱電機

  • SRT-P376UB (最上位機種)
    年間給湯保温効率: 4.0 ★2
    中間期標準給湯エネルギー消費効率: 4.9
    冬期高温給湯エネルギー消費効率: 3.0

  • SRT-S376U
    年間給湯保温効率: 3.8
    中間期標準給湯エネルギー消費効率: 4.7
    冬期高温給湯エネルギー消費効率: 3.0

  • SRT-S376UA
    年間給湯保温効率: 3.4
    中間期標準給湯エネルギー消費効率: 4.3
    冬期高温給湯エネルギー消費効率: 3.0

  • SRT-B376U
    年間給湯保温効率: 3.6
    中間期標準給湯エネルギー消費効率: 4.7
    冬期高温給湯エネルギー消費効率: 3.0

パナソニック

  • HE-JPU37KQS (最上位機種)
    年間給湯保温効率: 3.8
    中間期標準給湯エネルギー消費効率: 5.0 ★2
    冬期高温給湯エネルギー消費効率: 3.0

  • HE-JU37KQS
    年間給湯保温効率: 3.4
    中間期標準給湯エネルギー消費効率: 4.7
    冬期高温給湯エネルギー消費効率: 3.0

  • HE-NU37KQS
    年間給湯保温効率: 3.6
    中間期標準給湯エネルギー消費効率: 5.0 ★2
    冬期高温給湯エネルギー消費効率: 3.0

  • HE-NSU37KQS
    年間給湯保温効率: 3.3
    中間期標準給湯エネルギー消費効率: 4.6
    冬期高温給湯エネルギー消費効率: 3.0

ダイキン

  • EQX37WFV (最上位機種)
    年間給湯保温効率: 3.6
    中間期標準給湯エネルギー消費効率: 4.7
    冬期高温給湯エネルギー消費効率: 3.0

  • EQ37WFV
    年間給湯保温効率: 3.3
    中間期標準給湯エネルギー消費効率: 4.5
    冬期高温給湯エネルギー消費効率: 3.0

  • EQ37WSV
    年間給湯保温効率: 3.2
    中間期標準給湯エネルギー消費効率: 4.5
    冬期高温給湯エネルギー消費効率: 3.0



結論

省エネ性能だけのために、最上位モデルを選択するのはコストパフォーマンス的に微妙です。初期コストの差 = ランニングコスト減少分くらいのイメージです。省エネ性能の観点でいうと最上位モデルを選択しなくてもよいです
おひさまエコキュートがある前提の省エネ性能のメーカー別順位
最上位モデル: コロナ > 日立 > 三菱 > パナソニック >> ダイキン
標準モデル: コロナ, 三菱, パナソニック > 日立, ダイキン

残念ながら省エネ性能で見るとダイキンは全く良いところがありませんでした。日立も標準機種は極めて性能が悪くなるので注意が必要です。

次の記事では機能面を比較してみます。



Unsplashadrian korpalが撮影した写真


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