我が家アカデミー賞 2020年受賞作品
ルール
2020年にあらゆる媒体で観た映画の中から、各賞の候補を2人で3つずつ挙げ、最終的に協議の上で受賞作を決定。昔一度観た作品は基本的に除外。
作品賞
受賞作:
TENET
ノミネート:
ミスティック・リバー
さらば、わが愛/覇王別姫
ノー・カントリー
寸評:
映画体験、というものを前進させようとしていた『TENET』が受賞。ただ、他の候補作も大変素晴らしかった。「『さらば~』は私のオールタイムベストだから今更なんだよなー」とは或る選者の談。
監督賞
受賞者:
スパイク・リー(ドゥ・ザ・ライト・シング、シーズ・ガッタ・ハヴ・イット)
ノミネート:
クリント・イーストウッド(ミスティック・リバー)
クリストファー・ノーラン(TENET)
リューベン・オストルンド(ザ・スクエア)
寸評:
スパイク・リーの作家性に感動しての選出。ノーランは今年も受賞ならず。リューベンは常連になりつつある。イーストウッドは最高な『ミスティックリバー』と最低な『恐怖のメロディ』の間で揺れ動いた。しかし、『運び屋』も観た上で考えると何十年も第一線にいるのはただただ凄い。付いたあだ名がジーストウッド。
脚本賞
受賞者:
ブライアン・ヘルゲランド(ミスティック・リバー)
ノミネート:
パク・ウンギョ、ポン・ジュノ(母なる証明)
菅原和彦(ベニシアさんの四季の庭)
リューベン・オストルンド(ザ・スクエア)
バリー・ジェンキンス(ムーンライト)
コーエン兄弟(ノー・カントリー)
寸評:
良い意味で狂気的な作品が揃う。『ミスティック・リバー』は大変味わい深い一作だった。最終的に、脚本賞は奥深さで評価される傾向にある。
俳優賞
受賞者:
ホアキン・フェニックス(ジョーカー)
ノミネート:
ダニエル・ラドクリフ(スイス・アーミー・マン)
ハビエル・バルデム(ノー・カントリー)
三浦友和(葛城事件)
キアヌ・リーヴス(マイプライベートアイダホ)
寸評:
票が割れ、選考が難航した。ノミネートされた俳優以外にも何人か候補者に成り得る役者が居た豊作の一年だった。その中でも圧巻の存在感を示したホアキンが受賞。
撮影賞
受賞作:
ホイテ・ヴァン・ホイテマ(TENET)
ノミネート:
バリー・アクロイド(デトロイト)
ジョナサン・セラ(アトミック・ブロンド)
ジェームズ・ラクストン(ムーンライト)
寸評:
次点が『アトミック・ブロンド』。圧巻の長回し。『デトロイト』の緊迫感溢れる撮り方も印象的。だけど、最終的には実物のジャンボジェットを突撃させた『TENET』に軍配。
美術賞
受賞作:
アラビアのロレンス
ノミネート:
さらば、わが愛/覇王別姫
ジョーカー
サスペリア
アトミックブロンド
ザ・スクエア
寸評:
悪い意味で今年は票が割れた。『ザ・スクエア』は別の意味での美術賞ノミネート。視覚としての美しさを万人に魅せることの難しさを再確認。非人口的な美しさを再確認させてくれたという点が評価されて『アラビアのロレンス』が受賞。
企画賞
受賞作:
スイス・アーミー・マン
ノミネート:
Searching
TENET
バード・ボックス
寸評:
一番笑った映画。全く期待しないで観た分もあったかもしれない。次点の『Searching』も意外と奥が深い作品だった。
音楽賞
受賞作:
ジョーカー
ノミネート:
ベイビードライバー
愛と悲しみのボレロ
さらば、わが愛/覇王別姫
アトミックブロンド
ドゥ・ザ・ライト・シング
寸評:
音楽賞も選ぶのが難しかった。映画音楽の難しさを再認識。その中でも抜群の格好良さを示した『ジョーカー』が受賞。来年はもっと耳を研ぎ澄ませたい。
特別賞
受賞作:ザ・スクエア
寸評:
総合力の高い作品だったが、既存の賞の枠組みでは該当するものがなかなか無く、特別賞が創設されることに。
各賞のノミネートから外れた中でも以下の作品は高く評価された。
卒業
アメリカン・ヒストリーX
ひとつの太陽
シンプル・フェイバー
上半期までは『母なる証明』と『ひとつの太陽』が作品賞の候補として残っていたので、アジア映画旋風が来る予感があった。2021年一本目も『パラサイト 半地下の家族』だったので継続している感。
去年の受賞作
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