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客先常駐を振り返る

IT業界で切っても切れないものである客先常駐。以前書いた退職エントリと被るところもあると思うが、自分が感じたことを徒然と書いていきたい。

ほとんど派遣社員と変わらない働き方

客先常駐といえばまさにこれ。雇用形態は正社員であるが、1年のうち殆どを他所様の会社で働く。契約形態は様々だが、大体の場合は月160時間くらいの勤務で60〜100万/月くらいの単価で月or年単位で働く。作業する場所もプロパー社員とは別の協力会社社員専用スペースである。

自社で働くのと大きく違うところは顧客のテリトリーで働く点である。仕事はもちろんせっせとこなすが、それ以外にプロパー社員様に対しては年下であっても媚びへつらい、顧客によっては姿勢や言動すら厳しいところもあるため、もはや接客業をやっている気分すらなってくる。そして、有給休暇を取得するときは自社と顧客の両方から許しを得ないといけないからとてもめんどくさい。特に月160〜200時間の契約になっていると病欠以外休みすら取らせてくれない場合もある。(160時間を割り込んだ場合、単価から割引になる)

また、契約期間満了になった場合、新たな現場に行くために顔合わせという名の面接をこなし、新たな顧客に気に入られるための作業をこなすのである。なお、現場の選定だが、普通の会社であれば、社員一人一人のキャリアを考えた配属先となるが、客先常駐の場合、社員の稼働率しか見ていないケースがほとんどであり、キャリアよりもただ要員に空きがあればとりあえず放り投げるという動きになりやすい。

このようにせっかく正社員として雇われたにもかかわらず、やっていることは非正規雇用の派遣社員と何ら変わらないのである。

バカなプロパー社員様に辟易

客先常駐で働く中で高確率で当たるのがまさにこれ。プロパー社員全てではないが、協力会社社員よりも技術や担当業務システムの知識が疎かったり、やっていることは単純なプロジェクト管理しかしないという例が非常に多い。この点を自覚しながら、協力会社社員に対して誠意ある対応をしていればよいのだが、プロパーであることを鼻にかけ、協力会社社員に上から目線であたってくる勘違いバカプロパー社員も少なくない。ちなみに自分が見たバカプロパー社員の典型的なパターンは

  • 案件全丸投げで手柄はすべて自分にし、失敗はすべて協力会社に押し付け

  • 自社社員にはいい顔して、協力会社社員にパワハラ三昧

  • 協力会社社員に対し猜疑心むき出し

の3つである。2番目に関しては、書きたいネタは山ほどあるが、その中でもすごいなあと感じたのは

  • 出禁をちらつかせて無理なスケジュール・体制で案件を実行させられる

  • 「お前に毎月いくら払っていると思っているの?」と口癖のようにほざく

  • 「お前がいる会社は給料も待遇も大変だよね〜www。うちの会社は安泰だから余裕だし、俺は能力があるからどこでもやっていけるけどw。」と上からマウント。

信じられないかもしれないが、こんなものがザラにあるから困る。なお、顧客先に協力会社でも使えるパワハラ相談窓口というものがあるが、そんなことをすれば、契約を切られるリスクが有るため実質使えないのが現状である。自社社員間であれば、確実に問題になるレベルでも公にできないのである。

3番目の猜疑心むき出しについては、改善提案をしても「金をむしり取るだけの戯言」扱いされたり、常に行動を監視させられたりといったもの。信用<<<<疑いの姿勢が強すぎて信頼関係を築く気がまるでない輩がいることに驚いたものである。

環境がコロコロ変わることと年齢

先述の通り客先常駐の場合、ずっと同じ現場に居続けるのではなく、契約期間満了あるいは顧客から嫌われて出ていく→新しい現場探し→新現場に着任を繰り返す。若いうちはこの働き方でも苦を感じにくいが、年齢が高くなるにつれて、新しい現場が決まりにくくなり、決まったとしても短期間で環境がコロコロ変わりやすくなるので大きなストレスとなる。現場が決まらない場合は、待機社員扱いとなり給料が減ったり最悪リストラになる場合もある。

結論→早めに客先常駐から脱出すべし

客先常駐として働くのは若いうちは、いろいろな現場を経験して知識を蓄えるチャンスが有るというメリットがあるが、歳を重ねてからはメリットよりもデメリットのほうが多い。また福利厚生や給料という面でもプロパーとは劣りやすい。

個人的におすすめなのは、現場で知識を蓄えつつ情報処理の資格やベンダー資格(例:OracleなどのDB・開発言語・クラウドなど)を取得した上でとっとと転職していくことである。実際、自分はこの動きで転職したが、給与・待遇が格段に改善した。

最後に、システムが維持できているのは協力会社社員のおかげであることを担当プロパー社員が自覚し、協力会社社員を尊重する現場が少しでも多くなることを願うばかりである。