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5分でわかる子宮頸がん⑨セカンドオピニオンとは

がんの診断や治療では、患者や家族が正しい情報に基づいて担当医と十分に話し合い、納得して治療を受けることがとても大切です。

しかし、担当医と十分な話し合いを行っていたとしても、「他の治療法はないのかな?」と迷うことがあるかもしれません。

患者さんが納得のいく治療法を選択することができるように、治療の進行状況、次の段階の治療選択などについて、現在診療を受けている担当医とは別に、違う医療機関の医師に「第2の意見」を求めることをセカンドオピニオンといいます。

セカンドオピニオンは、今後も現在の担当医のもとで治療を受けることを前提に利用するものであり、「セカンドオピニオンを聞くこと=転院すること」ではありません。下記のようなときに利用することができます。

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セカンドオピニオンを受けることで、担当医の意見を別の角度からも検討することができ、もし同じ診断や治療方針が説明された場合でも、病気に対する理解が深まることもあります。
また、別の治療法が提案された場合には選択の幅が広がることで、より納得して治療に臨むことができます。

まずは、ファーストオピニオンを大切に

複数の医師の意見を聞き、どれを選んでよいかわからなくなってしまうことのないように、最初に求めた担当医の意見(ファーストオピニオン)を十分に理解しておくことが大切です。例えば、治療についてであれば、診断名や病状、進行度、推奨される治療法とその理由などを振り返ってみましょう。

また、なぜセカンドオピニオンを聞きたいのか、自分の気持ちを整理しておき、その中で生じた疑問や不安は、現在の担当医に相談しましょう。
しっかりと話し合うことで、結果的に迷いや懸念が解消し、担当医との信頼関係が深まったり、セカンドオピニオンを聞かないという選択に至ったりすることもあります。

さらに、セカンドオピニオンをその後の治療に生かすためには、利用する時期も重要です。早い時期にセカンドオピニオンをいくつも聞きまわっても、治療の選択ができなければ、治療を先延ばしにしてしまうことになります。現在の担当医の意見をよく理解し、治療の選択をいつまでにした方がよいのか、確認しておきましょう。

セカンドオピニオンを聞く際の流れ

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ファーストオピニオンを理解したら、病院を決めます
その後、現在の担当医に「セカンドオピニオンを聞きたい」と考えていることを伝えましょう。

しかし、「セカンドオピニオンを聞きたいけれど、担当医に言い出しにくい」と感じる方は少なくありません。
もし、自分や家族から担当医に言い出しにくい場合は、がん相談支援センターや、担当医以外の医療スタッフ(看護師や受け付けスタッフなど)に相談することもできます。

病院が決まったら、その病院の窓口に連絡して、セカンドオピニオンを聞くために必要な手続きを確認します。主に以下のような項目を確認します。

・受診方法
・予約
・費用
・相談時間
・必要な書類 など

セカンドオピニオンを聞くためには現在の担当医に以下の情報を準備してもらう必要があります。

紹介状(診療情報提供書)
これまでの検査結果のデータ(血液検査、病理検査・病理診断などの記録、CT・MRIなどの画像データ[通常はCD-ROMなどにコピーしたもの])

これらは、セカンドオピニオンを担当する医師に患者の客観的な状況を伝える非常に重要な情報です。必ず現在の担当医に相談し、紹介状と検査結果データを用意してもらいましょう。
紹介状の作成には保険が適用されます。

セカンドオピニオンを聞く前に、伝えたいこと、聞きたいことを整理していきましょう。
何を質問すればよいのかわからないときには、当日までにがん相談支援センターで情報を整理してもらうことができます。

当日は、信頼できる人に同行してもらい、リラックスしながらセカンドオピニオンに臨み、自分がうまく説明や質問できない場合は助けてもらいましょう。

セカンドオピニオンを聞いたら現在の担当医に報告し、
それを踏まえて、これからの治療方針を再度話し合い
ましょう。

まとめ

💡現在の担当医の意見(ファーストオピニオン)をよく理解する

💡病院を探す

💡現在の担当医に伝える

💡病院へ連絡をし、セカンドオピニオンを聞くために必要な手続きを確認する

💡現在の担当医に紹介状やこれまでの検査結果データをもらう

💡医師に伝えたいこと、聞きたいことを整理しておく

💡信頼できる人に同行してもらい、セカンドオピニオンを聞く

💡現在の担当医に報告し、今後の治療方針を再度話し合う


参考文献

国立研究開発法人国立がん研究センター対策情報センター(2019)「セカンドオピニオン」
https://ganjoho.jp/public/dia_tre/diagnosis/second_opinion.html

東京都福祉保健局「セカンドオピニオンとは」
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/smph/iryo/iryo_hoken/gan_portal/chiryou/second_opinion/about.html

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【このnoteを書いたのは】 インターン生 谷村
横浜市立大学所属。普段はHatch Healthcare株式会社で、noteの記事作成やPR活動を担当。

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