見出し画像

現在、新聞を読んでいる人の平均年齢は70歳から75歳を超えたあたりですが、同時にスマホでYouTubeを見ているか?いないか?の境目世代でもあるのです。 

笑い話ではありませんよ。
「何事も勉強ですね」
なぁんて言っちゃって、地元の商工会主催の
パソコンスクールを受講している
酒屋のご隠居こと留三じいさんは74歳。
でも、ただの爺さんではないですよ。
留三爺さんはパソコンスクールに通うようになってから、
赤やオレンジのド派手なシャツを着るようになりました。
「どうしたの留さん、若作りして」
「まあ、聞いてくれや。わし、ユーチューブ動画を作ろうと思って
本屋さんの置いてあるマニュアル本を見るとな。
とりあえず自分のチャンネルを多くの人に見てもらう方法は
多くの人が関心のある題名をつけ、毎日のように動画をアップロードすることって書いてあるんや」
「ほほお、すごいすごい・・それで?」
「ユーチューブ?って、何や分からんし、
若い人の好むような名前なんぞワシには考えつかん」
「YouTubeってスマホやな、テレビとどうちがうんや」
「大きさが違う。とにかく、人に見てもらうものは、
ほんの少しずつでも変化を加えて行く方が
良いようじゃ。人に注目されると思うから、女優さんは
いつまでもベッピンでおれるわけや。ふんで、思うたんじゃ
ワシらのように、とうの昔完成しちまって、衰えるばかりの爺は
パーっと変身なんてできんよな」
「若いものでも、なかなかフルモデルチェンジできないよ」
「ちょっとだけでも、変わろうかとおもって」
「74の留さんも、小さなマイナーチェンジくらいなら
できるはずだしね」
「双子の百歳で有名になった金さんは100歳を超えてから
筋力トレーニングをやって歩行障害をなおしたそうだ。
あの人らに比べりゃ、ワシらヒヨコやぞ」
「なるほど、それで、色シャツを着たわけか・・・」
「パソコンスクールに行くとな・・・ああ、そこの赤いシャツの方
とかオレンジのTシャツの方・・・って可愛い先生が呼んでくれるし」
「なんや、留さん、先生に見てもらうために、そんな派手なシャツ着てるの」
まだまだお若い留三爺さんでした。
さて、パソコンスクールの様子を見ると
「パソコンは使えば使うほど、うまくなります」
と言う美人講師の声に耳を傾けながら、真っ赤なシャツの
留三じいさんはパソコンと格闘しています。
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?