【短編】深夜と逃避行
バイト終わりの帰り道、辛くてもまた明日行かなきゃいけないのをわかっているのに思い出したテイにして、そういえばもう日付を跨いでいるから今日か、なんて一人でツッコミを入れながら憂鬱に浸った。
サラリーマンのくたびれた背中を追いかけるようにコンビニへと吸い込まれていく。理由はないのに楽しいから、ここだけが私の居場所なんだと思えてしまった。
結局何も買わずに退店する、薄情者の私。
ほとんどポカリの成分でできた汗が乾いたコンクリートに落ちる頃には、見慣れた公園に足を踏み入れている。
錆