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DX戦記〜日本のDXについての試論(4)

このシリーズでは、

ゴミ仕事 デジタル化しても ゴミ仕事

という川柳を謳いたくなるような、喜劇的状態に水を差すために、どう経営者に伝えるのかを試行錯誤するシリーズです。
一応、前回、中間まとめをしたので、その先に続けましょう。l

経営者にとってのDXとは「経営ドクトリンの変化」を起こした現象である

はい、もう、経産省のDX定義なんぞ忘れ去って、原点の「デジタル技術が生活世界を良くしている」という意味に戻ります。

デジタル技術のメリットは、情報処理を(1)正確に(2)早く行う事です。これが、急速な技術進歩によって異様に拡大していった結果、ありとあらゆることに応用できるソリューションが展開されていきました。

それによって、誰でも膨大なデータを扱えるようになり、コミュニケーションも即時的に行えるようになり、様々な事が自動化されるようになりました。

コンシューマとして享受するサービスは技術進歩に従いコミュニケーションを中心に様々なドクトリンが変化し生活の利便性が向上ました。これがDXと言われる現象です。

そして、エンタープライズビジネスにおいても、新たな技術が採用され、マネジメントのインフラが変わり、経営におけるドクトリンが変わりました。これが経営のDXといわれる現象です。

日本の組織は、よく「DX」とか「DXする」みたいな謎のワードを言いますが、奇妙な言い回しです。

単に、DXが起きています。経営者がDXを認識できていないだけです。

なので「DXによって変化した経営ドクトリンを採用する」または「経営のモダナイゼーション」と言うのが実態に即しているでしょう。

新たなドクトリンを受け入れるのが難しい理由

「変われない」のではなく、「変わろうとしない」人たちが、いくらDXと叫んでも意味がない、引き起こされたXに気が付いていないのだから

最近、私の周囲でたまに見かける『なぜ人と組織は変われないのか』という本がありますが、これは「変わろうと思ってるのに、変われない」ケースを取り扱っています。

ですが、我々が扱いたいのは「変わろうとしない」日本の経営層です。

人間が行動を変える動機として有名なものは、目的達成と危機回避です。

人類の歴史を見れば、経営のドクトリンが変わったにも関わらず、旧いドクトリンに縛られて敗北し消え去った事例は山ほどあります。まぁ、歴史にのこるような敗北って大体そうなんですが。

そのような歴史を見ていると、当事者たちは危機に気が付いているのですが、それがどこに原因があるのか分かっていない、という事がわかります。

そのあたりは、戦を見ると非常に極端に凝縮された形でドクトリンの違いが勝敗を分けることがわかります。非株式会社いつかやる、はそのあたりをよく分析し、解説をしています。歴史の常ですが、事実かどうかは別として。

日本の経営者が「変われない」のは、日本がどうやら後ろに向かって進んでいる原因が、経営ドクトリンが変わった事が理解できていないから

という事になります。


そして問題は、なぜ日本の経営者が、経営ドクトリンが変わったことに気が付けないのか、という事に

という事に、次回かから言及していきます。



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