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エクスペンダブルズ ニューブラッド

2024/1/11

だめです。
過去作は何度見たかわからないくらい気に入っているシリーズですが、
今作は拍子抜けしたと言わざるを得ません。
代替わりが出来たわけでもなく、前作で片鱗を見せた技術革新へのアップデートがあったわけでもない。
ワイルド・スピードシリーズのように世界規模の犯罪を阻止する、みたいなパターンにはまると、
もはや手垢が付きすぎて食傷なんだよといわんばかりの出来になってしまったのは残念で仕方ないです。
そして、やはりシルベスター・スタローンという俳優の存在感は何者にも代えがたく、
ジェイソン・ステイサムだけではその穴を埋めることは難しいとしみじみ思います。
どうにも芯を欠いた全体の雰囲気も相まって、なんとも乗りきれない、盛り上がらない。
スピンオフという形であれば、さもありなんといったところだったでしょうか。
また、新キャラ、悪役ともにそれぞれの掘り下げが浅く愛着がわかないのも致命的で、
配役は大物揃いなのに、キャラクターとして魅力を感じないのはいただけません。

そもそもエクスペンダブルズというシリーズの良さはどこにあったでしょうか。
男達の暑苦しい友情、自分たちで祭りと揶揄するほどのオールスターキャスト。
旧来の、とうがたったアクションスター達が一同に介した際におこるシナジー。
敵を圧倒的な暴力でなぎ倒す姿は、その爽快さ、格好良さを大いに評価されました。
そんな一昔前の一大コンテンツの続編、
およそ10年ぶりとなった本作はバーニーの去就が取り沙汰されていますが、
果たしてこれはうまくいったとはいえないのではないでしょうか。
というよりも、話の筋立てとして展開が容易に予想できてしまいますし、
復讐という割に恨みつらみが感じづらく、フォーマットに沿っているだけに思えるのです。
どこか淡々と、どちらかといえば仕事の延長での敵討ち。
そもそもエクスペンダブルズの面々は、金と名誉、プライドが全ての傭兵であって、
ヒーローなんかでは決して無く基本的に私怨で動きます。
その激情、感情面での熱さがないと引き込まれないのだなと。
そう考えると、物語の重厚さのようなものは求めていない作りなのかもしれませんし、
そういった意味でもワイルド・スピード/スーパーコンボの有り様と類似性があるのやも。

改めて過去作は、公開した年代や座組の妙が奇跡的だったのだと思えます。
同じフォーマットで新作を撮っても、良さの掛け違いがおこるとこんなにも平凡なアクション映画にしかならないのかと思うと、なんとも悲しい。
そんな中、一番テンションがあがったのは冒頭、バイクに描かれたエクスペンダブルズのマークからのスタローン登場、タイトルまでの流れ。
エンジン音と後輪の太さが相まって正直ワクワクしました。

すり替えるにしても、せめて体格は合わせておくべきじゃないですか。



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