AIがクリエイティブ領域の仕事ばかり奪うのはなぜ?【Web Design Talk】
こんにちは、How many designs です。
Web Design Talk というタイトルで、デザインに関するお話を少しだけ書いていこうと思います。気軽に読んでいただければ幸いです。
はじめに
AIが凄いらしいと何となく話題になり始めた頃は「定型化している作業領域はAIに任せて、人間がもっと創造的な仕事をする時間が増える」と言われていました。
しかし、最近のAIの進化にはむしろ逆の印象を受けます。(特に2023年〜2024年にかけて)
例えば、AIを利用した画像生成やWebサイトのノーコードツールのようなクリエイティブ領域の技術は本当にたくさん出てきました。まだまだ使えないと感じられたクオリティも、驚くべきスピードで向上してきました。
一方で、定形作業の多い事務処理やクラウドでコモディティ化しているシステム構築のような領域では、AIが難なくこなしてくれるという話題はあまり聞きません。
定型作業の多い領域よりも、デザインのような創造性を求められる領域でAIの進展が著しいのはなぜでしょうか?
創造的な領域におけるAIの進展が早い理由
この理由を解き明かすには創造的な作業の工程自体にヒントがあるように思います。
創造的な作業には、アイデアを視覚化する工程とクオリティをチェックする工程があります。このアイデアを視覚化する工程が、生成AIの得意な領域になっています。何故でしょうか。
実はアイデアを視覚化する工程では、AIが学習・生成する際に以下のようなAIに有利な条件が揃っているのです。
データの豊富さ: 画像、テキスト、音楽など、創造性に関わるデータはインターネット上に膨大に存在し、AIが学習する材料が豊富です。
評価指標の明確化: デザインの良し悪しを数値化できる指標(例えば、クリック率、滞在時間など)が比較的明確であり、AIが学習成果を評価しやすいです。
人間の直感的な要素の可視化: ニューラルネットワークの可視化技術の発展により、人間の直感的な要素を数値化し、AIに学習させることが可能になっています。
クリエイティブ領域におけるAIの成功要因
もう一つ、クリエイティブ領域にAIが広まったのは、AIが生成したものを最終的に人間がチェックすることが容易だからです。
AIとの工程が棲み分けされる場合、以下のように人間がAIによる生成画像を評価する指標が明確です。
視覚的な評価の容易さ: デザインの良し悪しは、人間が直感的に判断できるため、AIが生成した結果を人間が評価し、フィードバックを与えることが容易です。
多様な評価指標: クリック率、滞在時間、コンバージョン率など、デザインの質を数値的に評価できる指標が豊富に存在します。
今後の展望とWebデザイナーの役割
AIとの共存はは避けられませんし、Webデザイナーの仕事の一部はAIに取って代わられるでしょう。このような状況を踏まえて、今後のWebデザイナーの役割を考えてみましょう。
AIとの協働: AIが生成したデザイン案をベースに、人間が最終的な判断を下し、より洗練されたデザインに仕上げる。
新しい表現方法の探索: AIが得意とする領域と人間の創造性を組み合わせ、全く新しいデザインの概念を生み出す。
AIの開発・改善: AIモデルの開発やチューニングを行い、AIの能力を最大限に引き出す。
ビジネスロジックの設計: AIにはできない、ビジネスロジックの設計やシステム全体のアーキテクチャ設計を担当する。
まとめ
Webデザイナーは、単なるデザイン作成者から、AIを駆使し、システム全体を設計・開発するような、より高度な役割へとシフトしていくことが求められるでしょう。
AIの進化はWebデザイナーの仕事をある程度奪います。そしてこれを悲観する時間はもうありません。それよりも、Webデザイナーの新たな可能性を開くものと捉えるべきです。
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