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一つ視点を上げた、仕事の選び方

先日レビューを書いた、イェール大学人気講義を書籍化した『天才』。

本の中にでてきた、ある言葉が頭からはなれません。

創作できないなら、演奏しなさい。演奏できないなら、教えなさい。

p18

これは、ジュリアード音楽院やカーティス音楽学校と並び、水準の高い音楽機関であるイーストマン音楽学校の校訓です。

なぜ頭から離れないかというと、この校訓が、音楽に携わる人だけでなく、仕事についての普遍的な教訓だと思ったからです。

まず、第一の「創作」とは、いままでに存在していなかった、オリジナリティのあるものを生み出すこと。

ビジネスに置き換えると、アップル社のiTunesが既存の音楽業界を変えたように、既存の業界を破壊してしまうような、いままでに存在していなかったビジネスを生み出すことが、「創作」にあてはまります。

「才人は、誰も射ることことのできない的を射る。天才は、誰にも見えない的を射る。」というショーぺハウアーの言葉のように、新しいビジネスを生み出す人には、一般の人は気づかないチャンスが見えているのではないしょうでしょうか。

そして第二の「演奏」とは、すでにあるものをうまく活用すること。

音楽だと他人の書いた楽曲をうまく演奏することですが、ビジネスに置き換えると、ビジネスモデルの模倣が当てはまります。

すこし前に読み衝撃をうけたのが、「賢い若者だけが気づいている「ぬるい日本」でさっさと億万長者になる方法」という、作家の橘玲さんの記事。

「日本なら、(中略)シリコンバレーのイノベーションを日本風にカスタマイズして大手企業に売却するだけで数億円」という言葉は、まさにビジネスモデルの模倣といえ、賢い若者たちはこの有効性に気づいているといえます。

最後の「教える」は、文字どおり他の人にやり方を教えること。

やり方についての本を出すことや、「先生ビジネス」やオンラインサロンもあてはまります。

「創作、演奏(活用)、教える」のなかで、誰もができるわけではない「創作」が最も貴重ですが、大切なのは、どの分野にもプロが存在するということ。

音楽業界についていうと、第一の「創作」ではベートーヴェンやモーツァルト。

第二の「演奏」では、ヨーヨー・マなどの世界トップクラスの演奏家たち。

第三の「教える」では、ジュリアード音楽院といった世界トップクラスの教育機関で教育に携わる人たち。

自分は「創作、演奏(活用)、教える」のどの分野で活躍したいのか?と考えることは、自分の仕事をみつめ直すうえで、参考になる教訓だと思いました。

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