レビュー『ソーシャルメディア億万長者』
タイトルのインパクトと、SNSで本当に稼ぐことができるのか?が気になり、手にとりました。
結論からいうと、この本を読んでも、SNSだけでは億万長者にはなれません。
ただ、すでにビジネスを持っている人にとっては、SNSとの向き合い方について参考になる本です。
本書について簡単にいえば、対象はどんなものであれ、深い知識や興味を持っていることついて、「大量に」、「長期間」SNS上でコミニケーションし続けることを提唱。
いいかえると「成功するまでやり続けろ」というもの。
一見ありふれたアドバイスですが、著者はSNSを活用し、実際に自身のワインビジネスを年商4億円から50億円へと成長させた人物。
その成功から「ソーシャルメディア・ソムリエ」と呼ばれています。
そんな著者が本書でかたるのは、儲けるテクニックというよりは、「分析はやめて、価値を上げるコンテンツづくり」をせよといったマインドセット。
ですので、すぐに実践できるというよりは、考えさせられる本となっています。
なかでも印象に残っているのが、「創作するな、記録せよ!」という言葉。
著者は、一日に3〜5回、自分の目を通した世界を共有することをすすめており、さらには「訓練の過程を全部記録せよ!」と語ります。
たしかに、「創作ではなく記録」であると考えると、発信への心理的ハードルが下がります。
そして、記録をとることは自分を客観視することができ、謙虚にもしてくれます。
また、Twitter、Facebook、YouTube、TikTokといった主要SNSのそれぞれの性格についても語られており、Twitterは「会社の休憩室みたいなもの」という考えはしっくりきました。
ゆえに、Twitterはアイデアの拡散には最適でありつつ、プレゼンというよりは会話なので、聞いて欲しいことすべてを相手に聞いてもらうことは難しいという面もあります。
タイトルから受ける印象と違い、考えさせられる本だと思いました。