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米国ホームコメディでほっこり『ヤングシェルドン』レビュー

NETFLIXで良質のホームコメディを発見した。

タイトルは『ヤングシェルドン』。

アホなやり取りと、ウィットに富んだ会話とのバランスがよく、しかも1話20分と短いので緩急があり、ずっと観ていられる。

英語を勉強している人や、家族のドラマやコメディドラマが好きな人にオススメだ。

ストーリー

主人公のシェルドン・クーパーは、IQ187の超天才。

彼とは真逆に育った兄のジョージーとおませな双子の妹のミッシー。

優しい両親と祖母の6人で、騒がしくも平和に暮らしている。

ちょっと不器用な天才シェルドンは、9歳にして兄と同じ高校に通い始めるが...

キャラクター

シェルドンのキャラクターが非常に魅力的で、彼の言動が笑いを誘う。

飛び級したとは言え、学費の高い私立高校に進学できず、シェルドンは兄と同じ地元の公立校に行くことに。

そこは荒くれものも普通にいる高校で、先生のレベルもシェルドンの期待より低い。

舞台となるテキサスでは、そもそも飛び級自体が稀なため、生徒からも教師からも煙たがられてしまうシェルドン。

彼の天才的な頭脳と、社会的な未熟さのギャップを、ユニークなユーモアで表現。

両親とおばあちゃんはシェルダンにめいっぱいの愛をそそぎ、いつもはシェルダンのことを煙たがっている兄と妹もシェルダンが本当に困っているときは助けてくれる。

そんな家族の愛情をたっぷりと感じることができるドラマといえる。

文化を知る

シリーズは1980年代のアメリカの文化や生活様式を背景にしている。

このシリーズを見ることでその時代のファッションやテクノロジー、音楽に触れることが可能だ。

舞台となるテキサスの文化についても垣間見ることができ、人々がブリスケットという牛のBBQを愛し、アメリカンフットボールに熱狂しているさまがわかる。

おばあちゃんの作るブリスケットはめちゃくちゃ美味しそうで、そのレシピを巡って父親と争うエピソードもあったりする。

そして、シェルドンの母親が敬虔な「バプティスト」の信徒なので、プロテスタント最大の教派のひとつであるこの宗教についても触れている。

彼女がシェルドンのマンガコレクションの中から『WATCHMEN』をみつけ、そのなかに全裸で青色のキャラクターであるドクター・マンハッタンを発見したときは、コミック店にまで苦情を言いにいっていた。

(ちなみにこの『WATCHMEN』は、コミックにも関わらず、「SF文学」の最高峰ヒューゴー賞を唯一受賞し、タイム誌の「長編小説ベスト100」にも選ばれた、グラフィック・ノベルの最高傑作と呼ばれている代物だ)

ほかにも、食事の前には全員で手をつないで祈りをささげたり、教会で野菜をつくったり、日曜日には子供のための学校が教会にあったり。

コメディなので、おもしろおかしく描くために強調されていると思うが、なじみのない世界に触れ、視野を広げることができる。

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