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レビュー『一生ものの「発信力」をつける 14歳からの文章術』
文章を書くのは得意ですか?と聞かれたら、何と答えるでしょう。
「得意」という人はすくなく、多くの人が、文章を書くのに苦手意識をかかえていそうです。
そんな苦手意識を克服し、論理的で説得力のある文章が書けるようにするのが本書。
タイトルに「14歳からの」とついているように、メインターゲットは、中学生。
高校受験のための自己PRや、大学受験のための小論文に軸足がおかれています。
しかし、良い論説文の構造について順を追って解説しており、論理的で説得力のある文章を書く方法になやむ大学生や社会人にもオススメです。
文章の肝は構造であり、本書で重要視されているのは「話題→論拠→主張」という型。
論拠と主張の間に、論拠の内容をまとめた「抽象」を置くことで、文書の首尾一貫性を向上させることもできます。
この型を起点に、つぎつぎに開陳される文章技術。
生徒が執筆してきたレポートや文章を添削する、というストーリーで構成されており、具体的にどうすれば文章を改善できるかも分かりやすいです。
さらに、本書を読めば、文章力を上げるだけではなく、他人の文章を正しく評価し、よい文章をひきだせるようにもなります。
本のなかでは先生と生徒のやりとりで進行していくのですが、先生側から一方的に技術や正解を伝授してはいません。
そのかわり、生徒自身からより良いアイディアを引き出させ、対話をすることで、生徒が表現したいことを深掘りしていっています。
このような、「正しい文章を矯正」するのではなく、「書き手が表現したいことを適切に表現するための方法を、書き手と共に考える」という姿勢に好感を覚えました。
したがって、学習者だけではなく、文書添削をする指導者にも役に立つ本だと思います。
著者の小池陽慈(こいけ ようじ)さんは、1975年生まれ。
早稲田大学の教育学部国語国文科卒業。現在は大学受験予備校の河合塾にて、現代文を指導しています。
本書では、文章の改善前と改善後がのっているので、具体的な修正内容について知ることが可能。
ゆえにわかりやすく、文章を書くことを学ぶ人にとって、親しみやすい内容だと思います。
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