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【入門編】わかりやすい大回り乗車の基礎知識

前回は房総半島を140円で1周した感想をnoteに書いたので、今回は「大回り乗車」をする上で気をつける点をまとめる。

大回り乗車とは?

大回り乗車の定義は「最短経路ではない」すべての乗り方のことだ。

たとえば、東京駅から新宿駅に向かう際に、最短経路である中央本線(運賃は200円)を利用せずに、山手線を使って品川経由で外回りをしても、運賃は200円のままで「大回り乗車」となる。

もちろん、東京駅から大宮駅まで北上し、川越線、八高線、中央本線を経て大回りをして新宿に向かうことも運賃は200円のままで「大回り乗車」となる。

そもそも大回り乗車は「運賃計算の特例」という決まりを利用しており、この決まりのおかげで実際に乗車する経路にかかわらず、最も安い経路で計算した運賃で乗車することができる。

なぜこのような特例ができたのかというと、発券業務の簡略化と、遠回りの方が早く着くケースに対応するため、利便性を考慮して設定されたからだ。

大回り乗車ができる場所

残念ながら日本全国どこでも大回り乗車ができるというわけではない。

「大回り乗車」が可能なのは以下の5つのエリアだけなので注意が必要だ。

・東京近郊
・大阪近郊
・福岡近郊
・仙台近郊
・新潟近郊

「東京近郊」は「近郊」と名前についている通り、東京以外にも茨城県(友部駅)、栃木県(小山駅)、群馬県(新前橋駅)、埼玉県、神奈川県、千葉県も含まれている。

各区間は以下のJR東日本のサイトから確認することができる。

[https://www.jreast.co.jp/kippu/1103.html]

【基本】大回り乗車の大前提

以下5つのポイントに気をつければ、大回り乗車で失敗することはない。

①経路が一周しない
②同じ駅を2度通らない
③発駅から着駅までの経路がすべて、同じ大都市近郊区間内にある
④乗車券の有効期限は1日
⑤途中下車はできない

①と②は同じように思えるが、例えば品川駅から山手線を一周して品川駅で降りる場合は①にあたる。

この場合②に該当しないのは、品川駅を「通過」せずに品川駅で「下車」しているからだ。

④と⑤に関しては知っておいて損がないことがある。

例えば、東京近郊区間内の東京駅から、東京近郊区間内で一番西の端にある松本駅まで行く場合、通常であればどちらの駅も東京近郊区間内なので、「有効期限は1日」かつ「途中下車不可」だ。

しかし、松本駅の一駅先の北松本駅(東京近郊区間外)までの切符を購入すれば、乗車券は「3日間有効」で「途中下車可」となる。(運賃は東京駅〜松本駅と同額)

その他の注意点

無人駅では降車しない

無人駅では乗務員がきっぷを回収するので、列車からホームにおりた時点で「下車扱い」となってしまう。

なので乗り換えなどの必要性がない限り、途中下車はもちろん、列車からの降車もできないと考えたほうがいい。

乗務員にバレなければいいと考えることもできるが、上記は大回り乗車のマナーとして守るべきだ。

ただ、路線の分岐駅、接続駅では降車が認められている。

終着駅で改札を出る際は「有人改札」を通る

紙の乗車券でもICカードでも、出発から一定時間がすぎると到着できで改札を出る際に自動改札が開かなくなるので、「有人改札」を通る必要がある。

行程表とルート図を持参する

行程表とルート図は特急に乗る際に必要だ。

特急に乗る場合、車掌による検札が行われる、車掌は「大回り乗車」のを行程を確認する義務がある。

車掌の業務は安全管理や運行管理など多岐にわたりとても多忙なので、大回り乗車で車掌に手間を取らせるのは最低限にとどめたい。

また、改札を出る際にも駅員さんに経路を説明するのに行程表とルート図は便利だ。

初めての「大回り乗車」の際に終着駅で改札を出られるかどうか心配だったが、行程表とルート図を見せるとすんなりと改札から出してくれた。

紙の乗車券を買う

交通系ICカードでも乗車は可能なのだが、「紙」の乗車券を購入することをお勧めする。

その理由は、大都市近郊区間と各地域のICカードの取扱いエリアが一致しない可能性があること。

また、終着駅で改札を出る時に「有人改札」を通るが、紙の乗車券であればどこから乗車したかが一目瞭然だが、ICカードだと機械を通してでないと入札記録を確認できず、駅員さんの手間になってしまう。

食事どころをおさえておく

駅構内に売店やそば屋さんがない駅も多数あるので、あらかじめ持っていく食料と、大回り乗車中に食事を取る際にどこで食べるのかを決めていったほうがいい。

房総半島を1周した時は千葉駅で「とみ田」のつけ麺をいただいたのだが、旅の疲れが吹き飛ぶほどにおいしく、いい思い出だ。

服装

大回り乗車をする際に意外と盲点だったのが、服装だ。

基本は電車にずっと乗っており、家を出る時に寒くない服装で大丈夫だろうと出発したのだが、「乗り換えが駅で電車を待つ際」にとても寒い思いをした。

理由は、乗り換え駅が自然の中にある場合に気温は都市部よりも低いということと、電車を待つ時間が20分と意外と長い時間待たなければいけないということ、そして、待合室のない駅の場合は、外でずっと待っていなければいけないということ。

前回大回り乗車をした際にはこれらが「成東駅」で重なり、非常に寒い思いをした。

よほどの暑さでない限り、念の為に羽織るものやストールを持っていくことをお勧めする。

絶景ポイントを抑えておくこと

電車旅の一つの楽しみは、車内から見える外の風景を楽しむことだ。

しかし、どこが絶景なのかを抑えておかなければ、丁度電車が絶景ポイントを通り過ぎる際に反対側の窓をみているかもしれないし、はたまた別のことをしているかもしれない。

どの区間で絶景ポイントがあるのかと抑えるには本が便利で、ぼくが参考にしたのは以下の本だ。

この本は少ないながらも絶景ポイントが書いているので、どこで景色に集中するべきなのかがわかる。

写真好きな人にもオススメだ。

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