シュワちゃんに学ぶビジネス力『Tools of Titans』
『「週4時間」だけ働く。』の著者ティモシー・フェリスが、各界の著名人にインタビューしてまとめたのが本書。
多数の著名人が登場しているので、自分が気になる人だけ拾い読みするのでも楽しめる本だった。
個人的な目当ては、「シュワちゃん」ことアーノルド・シュワルツェネッガーへのインタビュー。
意外に思われるかもしれないが、俳優として成功する以前から、ビジネスのプロだったということがわかった。
シュワちゃんが出身国のオーストリアからアメリカへ渡ったころ、そもそも俳優で生活ができるとは思っていなかったそう。
というもの、周りのボディビルダーと俳優が生活できていなかった。
その理由は簡単で、お金がないゆえに、「変な役」に甘んじなければいけなかったから。
そこでシュワちゃんは、ボディビルと、セミナー、メールコースで稼いだお金を「アパートメント」へ投資することに。
当時にリターンは300倍だったのことで、大儲けしたそうだ。
お金に困ることがなくなったので、「変な役」をひきうける必要がなくなった。
そもそも当時は、ウディ・アレンやアル・パチーノ・ダスティン・ホフマンといった「小さい人」が魅力的と考えられていた時代だったので、身体が大きいと、映画業界では弱点と思われていた。
しかしシュワちゃんは、「身体が大きさ」こそが大きな資産と考えていた。
そこでオーディションには行かず、ニッチな役を射止めることにフォーカスし、主役の座を勝ち取った。
そしてここからもすごい。
映画の『ツインズ』において、監督とギャラなしで働く代わり。
そのかわりに手にしたのが、37%というロイヤルティー契約。
そしてこの映画は、彼が一番儲けた映画となった。
彼の以下の言葉が身にしみる。
「In negotiation, he who cares the least wins」
訳すと、「交渉の場で勝つのは、交渉の結果を一番気にしていない人」ということになる。
何かの分野で成功したい場合、交渉の場において有利に立たなければいけない。
そのためには、交渉の結果によって左右されない金銭的余裕が必要だ。
シュワちゃんのケースでは、アパートメント投資により十分なお金があったので、以下のような交渉力をもっていた。
・「変な役」に甘んじる必要がなく、オーディションには行かずニッチな役にフォーカス
・ギャラなしで働く代わりに、37%というロイヤルティー契約
俳優やアーティスト、クリエイターとして成功したい人は、まずは自分でビジネスを起こすことから始めるべきではと思わされた。