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レビュー『営業と詐欺のあいだ』
人口減少、景気衰退、物価高騰というモノを売りにく時代でも、一流の営業マンは顧客から絶大な信頼を勝ち取り、必要のないモノまで買わせてしまいます。
そんな一流の営業マンの技術に迫ったのが本書。
題名の「営業と詐欺のあいだ」とは、まさに言い得て妙という内容で、お客が喜べば詐欺も詐欺ではなくなり、お客が騙されたと感じれば営業をしていたつもりでも詐欺となり、それら表裏一体が営業の醍醐味であると著者は語ります。
本書は二通りの読み方ができ、1つはモノを売るための技術本として、そして2つめは詐欺にだまされないための心得として。
営業やモノを売る仕事についている人はもちろん、高い買い物をして後悔したことのある人には一読の価値があります。
「人がものを買うとき、たとえ本質的ではないことに心踊らされていても、ときに表面的であることが人間の本質である」という鋭い指摘がとびます。
多くのセールステクニックの裏に、詐欺があることを気付かせてくれ、営業と詐欺に境界線を引く難しさを教えてくれます。
詐欺に関しては、「急にお金が必要」と言われたらほぼ詐欺で間違いないと警告。
詐欺商法の断り方も書いてあり、「なぜその商品を買う必要があるのか?」という理屈は詐欺師の方が上手だから、応えないのが正解。
無言をきめこみ、とにかく無視するか、同じ言葉を繰り替えし、逃げ出してしまえばいいと著者はいいます。
また、詐欺師本人は自分が詐欺師だとは思っておらず、社会のために役に立つと本気に思っているということを知ることも重要です。
2008年にでた古い本ですが、営業と詐欺についてなのでまったく色あせない内容。
良質な発見にみちた本で、一流の営業マンと詐欺師の違いは紙一重であり、営業のコツと、詐欺を見抜き、断わる心得を伝授してくれます。
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