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ライフワークを決めるには「30歳」が一つの区切り

ライフワークというコトバを目にする機会が増えています。

ライフワークとは自分の存在意義。

どんな人として覚えられたいのかをあらわしたもので、「人生をかけてする仕事」ともいえます。

ライフワークを決めていれば、目標に向けて努力する意欲が自然と湧き、困難も乗り越えていけるもの。

そんなライフワークに関して、いつまでに決めるのがいいのか、知的能力の低下はいつごろ訪れるのかについてまとめます。

30歳の重要性

ライフワークを決めるのに、「30歳」というのが一つの大きな区切り。

30代以後、自分が何をしたいのかを決めている人と、決めていない人では、天と地との差が生まれてきます。

30歳の重要性を、中国の哲人・孔子も訴えていました。

彼は、人生設計を以下のように区切っています。
・15歳で学問の道をこころざす
・30歳で独り立ち
・40歳で迷いがなく
・50歳で、自分の使命をさとり
・60歳で、人の言葉に素直に耳を傾けるようになり
・70歳で、自分の思う通りにやっても、やりすぎということがなくなる

ただ、30歳で独り立ちするためには、それまでにさまざまなものに触れ、見聞を広める必要があります。

いいかえると、いろいろな仕事を経験し、本を乱読することによって知見を広め、いろいろな思想を学ぶ時期。

この人生設計は、彼自身の生涯を振り返ったものでもあり、孔子自身、若い頃にはさまざまな仕事を経験しています。

知的能力の低下もプランに入れる

自身の知的能力がいつごろ低下するのかを把握することも重要。

そのためには、自身のライフワークが自然科学、社会科学、人文科学のどの分野に属するのかを知る必要があります。

フランスの哲学者、シモーヌ・ド・ボーヴォワールは『老い』の中で、「老年期の科学者が、独創的発見をすることはきわめて稀である」とのべ、以下のように、具体例をあげています。

・化学では、もっとも重要な発見は25-30歳まで
・化学において、発見の数では30-35歳のあいだが多い
・物理学では、最適年齢は30-34歳
・天文学では、最適年齢は40-44歳

このように、自然科学の分野(数学・物理学・天文学・化学・生物学・地球科学など)では、知的な老化は人生の前半戦でやってきます。

これは、偉人として歴史に名を刻む人物も例外ではありません。

相対性理論を発見したアインシュタインは、人生の後半の30年を、誰もが反対した「統一場理論」に注ぎ、結果は惨憺たるもの。

ただ、社会科学(政治学や経営学、経済学、法学など)と、人文科学(哲学、論理学、芸術学、音楽学、歴史学、文化人類学など)については、知的能力の低下には個人差があるため、健康に気をつければ、人生の後半戦でも身を実らせることができます。

ちなみに、文系と理系という分けかたをしているのは日本だけ。

それらと、自然、社会、人文科学の区別の違いは、『独学大全』の著者・読書猿さんの以下の記事を読めば一発で分かります。

おわりに

自分のライフワークが自然科学の分野である場合、知的能力の低下が人生の前半に訪れることを知らなければいけません。

そして、30歳はひとつの大きな区切りで、自身のライフワークを決め、知的に独り立ちする時期。

自分のライフワークが何かを決めることは、気づかずに、他人と同じ道を歩むのを防いでくれます。

そして、充実感を味わいながら、豊かな人生を過ごすことができるでしょう。

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