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レビュー『はじめてのドイツ語』

ドイツ語学習をはじめててそろそろ1年がたちます。

毎日30分を継続し、今はまだ発音にとりくんでいるので、カメのようなスピードで学習しているのですが、ごくたまに家での学習時間がとれない日があります。

そんなときは移動中の電車のなかでドイツ語学習するのですが、電車内ではもちろん、発音の練習をすることができません。

単語帳や文法書を読むのも、まだ早いなぁと思っていたときに出会ったのが本書。

「はじめて」とあるように、ドイツ語初学者にむけて、文法を広く浅く学べます。

なんといっても良いのが、そのコンパクトさ。

新書なのでカバンにもスッとはいり、重さもあまり感じません。

そして、カバンの中からさっと取り出し、読書をはじめることができます。

また、実践面でも役立つように工夫して書かれています。

たとえば、ぼくたちのようなドイツ語学習者が、実際にドイツ人の人と会話をする時に「あなた」という場合、フランクなバージョンであるduを使う可能性はとても低く、敬語的なsieのほうをよく使います。

なので、動詞の変化を覚えるときも、このsieを中心に覚えるという考えに基づいて書かれており、実践的です。

文法のメインとしては、「性とその人称の変化」、「格と形容詞と前置詞」、「格に基づく文の構造」、の3つに焦点を当てています。

特に、「格の厳格な運用」が、ドイツ語の最も大きな特徴であることが繰り返し述べられており、頑張って格を覚えようという気にさせてくれます。

格変化というのは英語やラテン系諸語にはなく、ドイツ語のハードルを上げているのですが、本書ではこの「名詞の格変化」、また、それと密接に関係する「動詞による格支配」、そして「基本文型に」ついての説明が充実しており、わかりやすいです。

また、教科書的に文法をパーツとしてとらえるのではなく、名詞の格変化を中心にドイツ語文法の構造を解き明かそうという姿勢で、有機的な結合として捉えており、難しいといわれているドイツ語文法を、身近な存在に引き寄せてくれています。

もちろん、文法をマスターするには、さらに別の本を読む必要がありますが、日常の合間に読む入門の入門の本としてはぴったりです。


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