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レビュー『睡眠こそ最強の解決策である』

睡眠不足だったのですが、「睡眠不足の危険性」と、「寝るための具体的なヒント」を知り、すこしずつ改善してきました。

「睡眠不足の危険性」と、「寝るための具体的なヒント」を知るためにしたことが、今日紹介する『睡眠こそ最強の解決策である』を読むこと。

本書は、アメリカ、イギリスでベストセラーの睡眠本です。

原題は「Why We Sleep」で、そのまま訳すと「われわれは、なぜ寝るのか?」というもの。

眠ることの重要性を探求した画期的な著作で、身体的および精神的健康を向上させたいと考えている人にとっては必読です。

豊富な研究と魅力的なストーリーテリングを用い、著者であるウォーカーは睡眠が単なる回復活動ではなく、ぼくたちの身体的および精神的な健康の基本的な要素であると説得力を持って主張しています。

著者のマシュー・ウォーカーは著名な睡眠科学者。

カルフォルニア大学バークレー校教授で神経科学と心理学を教えている人物で、TEDにも登壇しています。

睡眠のさまざまな段階と機能を解説し、その複雑な仕組みについて解明しています。

眠ることが記憶の定着、問題解決、感情の調整、さらには創造的な思考において重要な役割を果たすことを説明します。

さらに、わかりやすい言葉と鮮やかな逸話をつうじて、睡眠中に起こる生理学的および神経学的プロセスについての深い知識を提供。

本書でもっとも印象的なのは、「睡眠不足がまねくおそろしい結果」です。

ウォーカーは、慢性的な睡眠不足が肥満、糖尿病、心臓病、さらにはがんなど、さまざまな健康問題と関連していることを示しています。

睡眠と精神健康の関連性にも光を当て、不十分な睡眠が不安、うつ病、その他の精神疾患にどのように寄与するかを明らかにしています。

たとえば、6時間睡眠の日が10日のあいだ続くと、1日徹夜した時と同じくらい脳の機能は衰えるということ。

しかも、本人は自分が睡眠不足だとは認識していません。

さらに、ワクチンを接種する前の睡眠時間が短いと、ワクチンの効果は半減するという衝撃的な事実も明らかになります。

またウォーカーは、人工的な光、カフェイン、電子デバイスの増加によってぼくたちの自然な体内時計が乱れる現代社会を痛烈に批判。

彼は、学校や仕事のスケジュールが生体リズムに合ったものになるような政策変更を提唱し、誰もがより良い睡眠を促進することを支持しています。

本書の価値をあげているのが、「睡眠の質を向上させるための実用的なアドバイス」です。

ウォーカーは、睡眠に適した環境を作り、一貫した寝る前のルーチンを確立し、寝る前の刺激物を避けるための具体的なヒントを提供しています。

これらのヒントは科学的な研究にもとづいており、睡眠習慣を改善し、良い変化をもたらすために簡単に実行することができます。

まとめると本書は、しばしば見落とされがちなぼくたちの生活の睡眠の重要性を再確認させてくれるを魅力的で啓発的な本です。

そして、生産性や娯楽のために睡眠を犠牲にする社会に警鐘をならしており、個人および社会全体が健康を向上させるために睡眠を優先すべきだという強力な呼びかけでもあります。


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