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レビュー『頭のいい人が話す前に考えていること』

こちらは一生懸命に説明しているつもりでも、相手に上手く伝わらないことがあります。

人と話していると、あまり伝わっていないなぁと思うことが多々あり、本書を手に取りました。

いつもよりももっと分かりやすい説明が出来るようになりたい、仕事で活躍したいという方にオススメです。

本書は、頭の良く、仕事でも活躍している人たちが、話す前に一体何を考えているのか?にフォーカス。

学校的な頭の良さと社会的な頭の良さは別ものであり、まわりから「頭がいい」と思われる人間は、社会的な頭の良い人。

仕事での提案を聞いてもらうには、この「社会的な頭の良さ」が必要になります。

7つの黄金法則

本書では、まず身につけておくべきマインドをとして以下の「7つの黄金法則」が紹介されています。

①とにかく反応するな
②頭のよさは、他人が決める
③人はちゃんと考えてくれる人を信頼する
④人と闘うな、課題と闘え
⑤伝わらないのは、話し方ではなく考えが足りない証拠
⑥知識はだれかのために使って、初めて知性となる
⑦承認欲求を満たす側に回れ

なにか問題を見かけても、簡単に指摘したりアドバイスしたりは避けたほうがいい。
相手に話をさせて、どれが同じでどれが違うか整理してあげながら、気づきに誘導するのが頭のいい方法である。

この7つのなかで、特に②の「頭のよさは、他人が決める」が重要だと思います。

そもそも、「頭がいい」とは一体どういことでしょうか?

学生時代であれば、テストの点数が高い人や、偏差値の高い大学に合格した人と、簡単に測れる指標がありました。

しかし社会人になると、そのような指標はなくなってしまいます。

本書では、「周りから頭がよいと認識されている人」が「頭がいい」人と定義されています。

その人のことを頭がいいと認識している人が多ければ多いほど、その人は実際に「頭のいい人」というもの。

そのため、「頭がいい人」になるためには、他人が頭のよさを決めるという視点を持ち、相手があなたの意見をどのように思うかを意識することが大切です。

5つの思考法

つぎに、「知性」と「信頼」を同時にもたらす以下の5つの思考法が紹介されています。

①客観性の思考法
②整理の思考法
③傾聴の思考法
④質問の思考法
⑤言語化の思考法

この中でも、とくに②の整理の思考法が大切だと思いました。

というのも、整理ができているということは、結果として「物事の本質が理解できる」ようになるからです。

そもそも、物事の本質が理解できていなければ、いくら話し方が良くても、信頼を得ることができません。

物事の本質が理解するための整理ですが、そのための方法として、「結論とは何かを考えること」と、「事実と意見を分ける」ことについて書かれています。

結論を導き出す難しさについて、本書では「重要な情報」と「その他の雑多な情報」をきちんと分けることができていないからと指摘。

そして、「重要な情報」と「その他の雑多な情報」を整理する一番手っ取り早い方法は、相手に結論は何かを聞くこと。

もしも、相手に結論を聞けない場合、「相手が最も聞きたいであろう話」を考えてみます。

最後に、「事実と意見を分ける」について、相手が事実とあなたの意見のどちらを求めているのかを理解して、適切な回答をすることが大切。

事実と意見を分けるコツは、なんといっても「注意力」。

相手の質問に反射的に答えるのではなく、相手の質問に注意をはらい、事実が求められているのか、それとも自分の意見を聞きたいのかを考えるようにしましょう。

著者紹介

著者の安達裕哉(あだち・ゆうや)さんは1975年生まれ。

デロイト トーマツ コンサルティング(現アビームコンサルティング)に入社し、品質マネジメント、人事などの分野でコンサルティングに従事。

その後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサルティング部門の立ち上げに参画。大阪支社長、東京支社長を歴任したのちに独立し、現在はマーケティング会社「ティネクト株式会社」の経営者として、コンサルティング、webメディアの運営支援、記事執筆などを行っている方です。

そんな著者が22年間のコンサル業で抽出してきた「話す前」にすべき7つの黄金法則と5つの思考法をまとめたのが本書となります。

おわりに

本書は、普遍的なコミュニケーションのあり方について掘り下げています。

話す事が苦手な人でも、本書に書かれてる「7つの黄金法則」と「5つの思考法」を意識することで、良い結果が得られます。

普通に生きていれば、人との会話は日常的に発生するので、汎用性の高い本です。



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