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【読書】呼吸の本:谷川 俊太郎, 加藤 俊朗


谷川俊太郎さんの呼吸についての簡単な質問に、呼吸の先生である加藤さんが優しく答えてくれる内容です。

どんな質問かというと「呼吸と深呼吸の違いは何か?」や、「今の時代にはどの呼吸法がベストなのですか?」など、今まで呼吸法に取り組んだ人がない人の参考になるような質問がされています。

この記事では、本書を読んで「心に響いたコトバ」と「面白いと思った話」、「呼吸診断」についてまとめます。

① 心に響いたコトバTOP10

「長息は長生き」と言われるように、静かで深く長い呼吸は健康です。

呼吸をすると宇宙を感じるんです。宇宙は透明なんです。闇なんです。闇と一体になると心地いいんです。

人間は、我(エゴ)を捨てるのがこの世(地球)での修行です。

「出したものしか入ってこない」

宇宙はスピードが大好きです。第六感が働いたら、すぐ行動に起こすこと。言い方を変えると、直感、ひらめきが浮かんだらすぐ行動をおこすといいですよ。

気づきは人生の運命を決める重要な羅針盤です。人間が成長するには、気づきが必要なんです。意識とは目が覚めている時に考えていること、思い、想像のこと。気づきとは魂のことなんです。

傲慢な心を改善するために手のひらに「謙虚」と書いてるんです。気持ちが萎えるたびにすぐ手のひらを見るんです。

丹田ができてくると、胆(はら)が据わるんです。人生の羅針盤となる信念ができてくるんです。

昔、武士は戦場でお茶をたてたそうです。そのとき燈籠を持っていったんだそうです。(中略)燈籠は、神事、法会を執行するときの浄化を目的とするもの。(中略)燈籠の火袋の窓の中がすごいんです。窓の中の空間が、人間の丹田と似てるんです。

魂=心+からだ
気づき=意識+感覚

②「足の裏」を重視していて面白い

本書で特に面白いと思ったのは、呼吸において「足の裏」を大事にしていること。

ブッダも足の裏を重要視しており、荘子も以下の言葉を残しているほどです。

「衆人はのどをもって呼吸する。哲人は背骨をもって呼吸する。真人は踵をもって呼吸する」(荘子)

(「真人は踵」というのも示唆的ですが、「哲人は背骨」というも個人的には気になります。)

本書の中では、体の気づきを得るためのトレーニングが紹介されており、それは以下のようなもので、だれでもすぐに挑戦することができます。

裸足で立ちます。
足の裏で吸います。(ただそう思うだけです)
足の裏で吐きます。(ただそう思うだけです)
これを繰り返し、慣れてきたら、足の裏と地球の中心とでキャッチボールする感じで呼吸をおこないます。
この呼吸の後で、足の裏の感覚の違い、地球を意識した時と、しなかった時の体の中の感覚の違いを感じることが大切。

また本書には呼吸トレーニングのCDが付属しています。

合計49分の呼吸のレッスンなので、レッスンなどで呼吸を学びやりたいけど、今はコロナなので、一人で呼吸を学ぶ具体的なトレーニングを行いたい人にはぴったりです。

③「呼吸診断」で呼吸法を学ぶ必要があるかどうかチェック

本書では、自分が呼吸法を学ぶべきかどうかの「呼吸診断テスト」がついています。

「呼吸診断テスト」 12の質問のうち、1つでも当てはまるものがあれば、呼吸方が必要で、三つ以上当てはまる場合は、呼吸法をするとだいぶ体が楽になります。

ぼくが当てはまっていたのは以下の二つでした。
三、よくため息をつきますか?
八、午後に頭痛(軽度のものもふくめて)に襲われることがありますか?

ちなみにこの「呼吸診断テスト」はゲイ・ヘンドリックス博士の以下の本が参照されています。

まとめ

本書は、初心者でも呼吸を簡単に学べるように、詩人の谷川俊太郎さんと、呼吸の先生であり厚生労働省認定ヘルスケア・トレーナーの加藤さんとのやりとりがQ&A方式にまとめられています。

全てを一気に読む必要がなく、気になった質問から見ていくことも可能なので、サクッと呼吸のことを知り、呼吸法を始めるのに最適です。

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