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NETFLIXオススメ映画『博士と狂人』

『博士と狂人』の原題は”The Professor and the Madman”で、は、2019年のアメリカ合衆国のドラマ映画。

41万語以上の収録語数を誇る世界最大の辞書「オックスフォード英語辞典(通称OED)」の誕生に隠された真実の物語が描かれている。

出演は大御所のメル・ギブソンとショーン・ペンの二人で、今作は二人の初共演作品となり、圧倒的演技力を楽しめる。


物語

19世紀後半のイギリスが舞台。

英語辞典の編纂が進まず、困り果てていたオックスフォード大学の教授陣は、学士号を持たないたたき上げのマレー博士を編集責任者として抜擢する。

彼は独学で言語学界の第一人者となった人物だった。

そんなマレー博士の知識を持ってしても、辞書の編纂作業は数世紀にさかのぼって言葉の出典を探す必要があり、一番はじめのアルファベット「A」で、すでに壁にぶつかっていた。

マレー博士たちを救ったのは、精神を病んだアメリカ人の元軍医マイナー。

彼はエリートでありながら、誤殺という犯罪を犯し、精神科病棟に入れられていたのだった。

順調に進むかに見えた辞書編纂だったが、大英帝国の威信をかけた一大事業に、犯罪者が協力していることが明るみになり、プロジェクトは暗礁に乗り上げてしまうが。。。


卓越した主演たちの演技力

主役のマレー博士をメル・ギブソンが演じた。

彼がスコットランド人を演じた映画は『ブレイブハート』が記憶に残っており、スコットランド人いわくの彼の『ブレイブハート』での英語は「微妙なスコティッシュ英語」らしいが、本作はどうだったのだろうか。

個人的には彼のスコティッシュアクセントはとても魅力的だと思えたし、演技はさすがアカデミー俳優といったところだった。

もう一人の主役、幻覚に悩み、誤殺事件を起こして精神科病院に収容される犯罪者マイナーを『ミスティック・リバー』と『ミルク』で二度アカデミー賞主演男優賞を獲得したショーン・ペンが熱演している。

狂気を抱え、自分の犯した罪の意識に押しつぶされそうになるマイナー。

そんなキャラクターを演じたショーン・ペンの演技は、まさに病的な演技で鬼気迫るものがあり、マイナーの苦悩が画面から伝わってきた。

一緒に映画を観ていた妻は、マイナーの苦悩のあまりの辛さに耐えきれず、お酒を3瓶ほど飲んでいた。

辞典づくりという壮大なロマンを求め、異端の天才ふたりが固い絆で結ばれていく物語ではあるものの、まるでホラー映画のようでもあったが、二大演技派俳優を演技を楽しめる。

原作は全米で大反響を呼んだ、ノンフィクション『博士と狂人 世界最高の辞書OEDの誕生秘話 』で、パソコンやインターネットがない時代に、手書きで辞書を編纂していく様子、また大英帝国の権威主義や、人々の暮らしぶりなど、当時の時代描写が楽しめる映画だった。


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