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長女、調理実習にゆく

「今週の金曜日に、調理実習があるので、もし長女ちゃんにその気があれば」

スクールソーシャルワーカー(SSW)の先生とのやり取りに、そのようなことが書かれていた。

長女は現在小学5年生で、ほとんど小学校には通っていない(理由は過去の記事をご覧ください)のだが、4年生の終わりごろから給食をSSWの先生と食べることができるようになっていた。とはいえ、教室に入ったことすらなく、調理実習はかなりハードルが高いのでは?というのが私の直感であった。

調理実習のことを長女に話したところ、2日くらい頭を悩ませていた。まず、即却下でないことに驚いた。悩むのだと。我が家のホワイトボードに、調理実習に参加することによるメリット・デメリットを書きだしてもいた。以前にも長女が同様に悩んでいたことがあって(なにについてだったかは忘れた)そのときにホワイトボードにメリット・デメリットを書きだしたことがあった。それを今回も取り入れたようである。

基本的に私は、やらずに後悔するより、やって後悔したほうがいい、という感覚の持ち主で、今までもことあるごとに長女にはそう言ってきた。しかし、今回の調理実習についてはその逆で、無理する必要はないのでは?と私は考えていた。

その理由は先述の通り、ハードルが高すぎるように思えたし、30名近くの活動ではなく、せめて10名規模のなにかから始めたほうがよいのではないかと思ったからだ。せっかく給食を週に1回、コンスタントに食べられるようになってきているのだし、ここで無理をして、まったく小学校に行かなくなることを恐れていたのだとも思う。

しかし長女は調理実習に行くことを決心した。それだけではない。前日にはランドセルまで準備をしたのである。1年生のとき以来、まったく使われていなかった真新しいランドセル。これがまた、日の目を見る日が来ようとは。

小学校までは、私が同伴した。本当は記念写真を撮りたかったのだけれど、不登校界隈でよく言われることだが、学校に行ったことに対して保護者が過剰に喜んだりするのは、あまりよくないらしいという知識を持っていたので、歩いている後ろ姿だけ撮らせてもらった。

父として嬉しい気持ちはもちろんある。しかしまた、それ以上に心配でもある。この文章を書いているいま、長女はほうれん草をゆでているはずである。

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