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リマスターで蘇った 『Cupid & Psyche 85』 SCRITTI POLITTI

アルバムタイトルにある通り、1985年にリリースされたスクリッティ・ポリッティの『キューピッド&サイケ 85』が、なんと2022リマスターとして配信されていました。しばらく気づかずにいた自分を呪いながらも即購入し、リマスター効果に酔いしれています。

スクリッティ・ポリッティは1977年から存在しているそうでして、グリーン・ガートサイトを主体とした音楽ユニットと考えていいと思います。

最初にスクリッティ・ポリッティを知ったのは本作からのシングル “Perfect Way” でした。

「なんて洒落た音楽なんだ!そして変な声!」というのが第一印象でしたが、そのリズムや音のカッコよさに夢中になりました。

FMラジオから録音して繰り返し聴きたいところだったのですが、FM雑誌の番組表にスクリッティ・ポリッティ「パーフェクト・ウェイ」と書いてあるのを見つけられず(まぁ、ないですよね)、叶いませんでした。

「これは買うしかない!」と意気込んだものの、私が住んでいた旭川で本作を入手するのはそう簡単ではありませんでした。

カセットテープの方が聴きやすかった当時の私は、店頭でレコードは見つけられるもののカセットでは置いておらず、親に何店舗か一緒に回ってもらって見つけた時の喜びは今も覚えています。(親に感謝)

今ではシンセポップの名盤とされており、当時最高の機材を駆使して作られた本作はレコードコレクターズ誌の80年代ロックアルバムランキングでも14位となっていますが、当時の私にそんなことがわかるはずもなく(子供でしたし、そんなに情報もありませんでした)、ただただ純粋に、ひたすら繰り返し聴いたのを覚えています。

そこからしばらくしてCDを入手し、長らくそのCDを愛聴してきた本作ですが、「アナログの方が音がいい」とされているのをよく見かけていました。そんな記事に影響されたからもしれませんが、CDの音がなんとなく平板で、迫力なく感じるようになりました。

子供の頃に聴いたカセットの音とは比べようがありませんし、シンセを主体に作られた音楽をCDで聴くことが間違いだとは思わないのですが、iTunesに取り込んだ本作を頭から聴く機会は少なくなりました。

そこに突如、2022リマスターとして配信されたのですから驚きました。リマスターには色々とあると思いますが、本作に関しては「迫力が違う!」と感じるものになっています。リマスター購入の価値がありました。

CDでは曲順が ⑷ Lover To Fall、⑹ A Little Knowledge となっていたのですが、これが入れ替えられいます。というか、戻されてているという言い方が正しいはずで、今回改めて2022リマスターを聴いていて「カセットの時には ⑷ A Little Knowledge、⑹ Lover To Fall だったはず!」と思い起こされ、そんなところも嬉しいリマスターでした。

「今聴いても全く古く感じない」と言ったら言い過ぎかもしれませんが、「当時としてはとてつもなく新しかったんだろうな」と感じますし、このリマスターでより鮮明に蘇っています。

マイルス・デイビスのカバー(『TUTU』収録)でも知られる ⑹ Perfect Way はもちろんのこと、⑴ The Word Girl や ⑻ Wood Beez は早速、いまのお気に入りプレイリストに加えました。

他の曲も懐かしいだけじゃなく、「本来の音はこうだったんじゃないか」と思うくらいになっていて、ひたすらこのリマスターに感謝しています。

実家にカセットデッキはまだあるのですが、テープは全く残っていません。録音したテープは仕方ないにしても、カセットで購入した本作などは残しておけばよかったと後悔しています。


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