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聴きどころはヴィヴィアン・キャンベルだけじゃない 『Riverdogs』 RIVERDOGS

1990年に発表されたRiverdogsの1stアルバムは、ヴィヴィアン・キャンベルが加入したこともあって当時もそれなりに注目を集めていたと思います。

DioやWhitesnakeに在籍したギタリストの新バンドとなると、地元旭川のレンタル店にもちゃんと入荷しました。さすがはヴィヴィアンです。

ですが、このアルバムの聴きどころは決してヴィヴィアンのギターだけではなく、派手さはなくとも美しい楽曲と、それを歌うロブ・ラモースのヴォーカルにもあると思います。

1990年というとけれん味満点の音楽が溢れた反動なのかブルース回帰的な流行(Gary Mooreの『Still Got The Blues』なんか筆頭にが挙げられると思います)があり、当時は本作もその流れにあるんだろうと思って聴いていましたが、いま聴くとブルースというよりはアメリカーナに分類されるような音楽と通じる部分を感じます。The Bandなんかが好きな人も聴けるアルバムと言ったら言い過ぎでしょうか?

経緯を見ると元々存在していたRiverdogsというバンドにヴィヴィアンが加わっており、クレジットがあるのも4曲です。ですので、この雰囲気は元から存在したもので、それを気に入ったヴィヴィアンが寄せていっているのかもしれません。

実際、Dioで魅せていたようなソロではなく、必要以上にブルージーな訳でもなく、楽曲に合わせたプレイを重視していて、それが全体を通じて心地よいです。

私が特に好きなのはロブが書いている ⑴ Whisper 、⑵ Toy Soldier や ⑶ Big House で、軽快なハードロックでありつつ独特の物悲しさが加わっていてグッときます。ロブの声による部分は大きいと思うのですが、録音もとてもよく、修飾され過ぎていない音が楽曲を際立たせています。

後半にはヴィヴィアンが作曲に加わっている4曲があるのですが、これも大きく雰囲気が変わることはなく、ロブの歌を前面に出した曲になっています。ロブとヴィヴィアンが書いた ⑽ America は渋さ満点で大好きな曲です。

本当はCDを購入したかったのですが限られたお小遣いでもあり、せっかくレンタルできることになっていましたのでありがたくお借りして、カセットテープで通学中に良く聴いたのを覚えています。後に中古盤店へ入る度にRのところを探して、数年がかりで見つけた時の喜びは忘れられません。


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