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若い世帯が住む分譲マンションの側に高齢者の住まいが必要な訳

  高齢者向けの住宅である有料老人ホームを、分譲マンションの近くに建設することのメリットは何でしょうか。三菱地所レジデンスは、2023 年10 月に有料老人ホーム「鎌倉市岩瀬1丁目計画」(全68室)を着工しましたが、この物件は、SOMPOグループで介護事業を担うSOMPOケアと初めて共同で住宅型有料老人ホームの開発を進めるものです。これは、2024 年3 月にSOMPOケアと同物件の賃貸借に関する予約契約を締結したことによるものです。

 この物件の特徴は、2020年3月に竣工した分譲マンション「ザ・パークハウス オイコス 鎌倉大船」(総戸数401 戸)に隣接しています。マンション居住者の〝親世代を近くに住まわせたい〟、〝自分に介護が必要になったときに住み慣れた土地で老後を過ごしたい〟などといったニーズに対応するものです。三菱地所レジデンスは、分譲マンションの供給戸数が累計約20万4,000 戸(2024 年3 月時点)に上っており、今後、SOMPOケアと複数の開発が進行中で、住まいと介護のコラボレーションを進めていくとします。

 有料老人ホームとは、食事、介護、家事、健康管理のサービスのうち1つ以上を提供する施設のことです。今回の物件のようなタイプの有料老人ホームは、介護の必要がない時期から入居することができます。部屋には緊急連絡ができるようコールボタンや人感センサーで何かあれば職員が部屋にかけつけられるようになっています。

 分譲マンションと有料法人ホームを同時に整備する例は、野村不動産などが手掛ける千葉県船橋市の「ふなばし森のシティ」があります。現代の郊外の分譲マンションは、かつての同世代が大量に住むようなことはなく、多様な世代が住めるような工夫が必須になっていると考えています。


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