ヘイトスピーチって裁けるの?③

みなさん、こんにちは、法律解説屋です。
本日は「ヘイトスピーチって裁けるの?」シリーズ第3段
「憲法14条で外国人も守れるのか」についてお話したいと思います。

前回のおさらいです。憲法14条では、

「すべての国民は法の下に平等だぜ」

って内容を定めています。
条文全文は下の感じ。

第14条
① すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

② 華族その他の貴族の制度は、これを認めない。

③ 栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。

(電子政府総合窓口 e-Gov 法令データベース 憲法から)


さて、何やら難しいことがつらつらと書いてあります。
この憲法14条の最初の部分、「すべての国民は」とかいてあります。これは、書いてあるとおり、日本の国籍を持っている人、全員を指します。その人達全員は、

「法律によって平等を保たれ、
差別から守られています。」

では、日本の国籍を持たない人はどうでしょうか。条文を文面通り、読むのであれば、外国人はこれの対象外になります。
ということは、対象外の人は平等に扱わなくてもいいのでしょうか?差別しても、いいのでしょうか。みなさんはどう思いますか?

これについて、法律のお偉いさんがたの、考え方はだいたい一致しています。

「まあ、大体のことは平等でいいんじゃない」

参考元
「国家に直接関係ない生活関係においては、国民と外国人との間にも、事情の許す限り、本条の原則が認められるべきことは当然である」
(コンメンタール日本国憲法〔初版〕(1955)宮沢俊義 日本評論社 207頁)


「憲法14条の趣旨は、特段の事情の認められない限り、外国人に対しても類推さるべきものと解するのが相当である」
(最大判昭和39・11・18 刑集18巻9号579頁)


となってます。なぜ全てじゃなくて大体かと言いますと、
例えば、外国人は被選挙権や採掘権などを制限されています。これは日本の首相が外国人だったり、日本の富士山を外国人が管理しているってことになっていくと、この国って誰のもの?となってしまうからです。他にも、日本の鉱山等は日本の国籍がないと持てなかったりします。つまり、国が国を保つために必要なものは自分の国の人に任せ、その点だけ、外国人とは必要な差別をしているわけです。確かに日本の首相が別の国の人だったら、日本のことを外国が決めるということになってしまいますので、差別というか最低限必要な区別ですね。
ですが、それ以外の国がどうとか以前の根本的な人権は平等にしましょうよとしています。なので、外国人の人権を傷つけてしまうような差別はしてはいけませんとなるわけです。
よって、前回に取り上げました人権三法も外国人にみとめられてもいいということになります。

と、ここまでが差別に対する日本の法律の考え方です。割とそらそうやろって言う常識みたいなことをキッチリ言語化して考え直してる感じですよね。
今日はここまで、次回はヘイトスピーチに対する自治体の取り組みと、1番難しいヘイトスピーチの定義づけに踏み込んでいきたいと思います。
ぜひお楽しみに!!

法律解説屋のTwitterはこっちだってよ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?