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キツネに憑かれたおじさん

昔、母から聞いたお話を思い出しました。
昔話と思って聞いてくださいね。
 
登場人物をご紹介します。
 まず、
わたしの母=ノンちゃん
母の姉=セッちゃん
母の弟(生後7~10ヶ月ごろ?)=トシ坊
 母の母(わたしの祖母)=お母ちゃん
 
と、しますね。(仮名です)
 
私の母であるノンちゃんの子供の頃のお話なので、
今から60年ほど昔です。
ノンちゃんたちは新潟県に住んでいました。
 
新潟県といえば、米どころですね。
のんちゃんの家の周りも田んぼが広がっていました。
 
ある日、
お母ちゃんは、セッちゃん、ノンちゃんと、
赤ちゃんのトシ坊を背中におんぶして、買い物に出かけました。
 
用事を済ませるのに遅くなり、
すっかり日が暮れて、帰りの道は真っ暗になってしまいました。
 
いつもの道が暗くてよくわかりません。
(お母ちゃんは酉年で鳥目だったそうです。)
 
どうやら、お母ちゃんたちは道に迷ってしまいました。
 
真っ暗な田んぼの道を
方向もわからず、かれこれ1時間ほど歩いたでしょうか?
 
どうやっても道がわからず、途方に暮れていたところ、
とつぜん見知らぬ人が現れて、
 
「どうしたんですか?」
 
「道に迷ってしまって、困っているんです」
お母ちゃんは、住所を言うと、
 
その人はお母ちゃんの家の近くまで、案内してくれました。
 
みんなホッとして、
「ありがとうございました!」と言おうとすると、
その人の姿はもう見えなくなっていました。
 
その日は、疲れてぐっすりと眠りました。
異変に気付いたのは、その次の日です。
 
お母ちゃんがおんぶしていた、トシ坊の顔が、変わっています。
狐顔、赤ちゃんなのにキツネの特徴ある顔です。
 
それに、トシ坊はまだ歩けない赤ちゃんでしたが、
ピョーン、ピョーンと赤ちゃんにはありえない動きで、
飛びながら移動するところを、のんちゃんはしっかり見ました。
 
そして、お揚げや、おいなりさんを異常に好み、ものすごくよく食べました。
 
さすがにおかしいと思って、近くの霊媒師のような人に相談に行くと、案の定こういわれました。
 
「赤ちゃんに狐が憑いてる」
 
トシ坊はその霊媒師に憑いていた狐を取ってもらったそうです。
  
私は大人になったトシ坊おじさんを知っていますが、完全にタヌキ顔です(笑)。
 
母ノンちゃんの話では、あの道案内をしてくれたのがキツネだったんだよ、
と話してくれました。。。
 
が、母の話は信憑性が、、薄く、、、本当かどうかわかりません。
 
祖母が生きているうちに、この話の真偽を確かめれば良かったなぁと思いますが、
昔話として、みなさんに紹介しました。
 
でも、母は飛んだのは見たと言っているので、本当の話なのかもしれません。
 
ちなみに母は霊媒体質です。わたしより強力に何かをもらいます。
そんな話がたくさんあります。(笑)

日本のおばあさん、おじいさんの中には、不思議なものを見た人がたくさんいると思います。沖縄には「キジムナー」というがじゅまるの樹に住むイタズラ好きの妖精(精霊)がいて、見た人もたくさんいます。

小人も巨人も河童も人魚もキジムナーもアマビエも座敷童子も天使もゴブリンもエルフも宇宙人も、時々目に見える見えない存在は、今もどこかに普通に暮らしているのかもしれません。

 嘘か本当かわからないお話にお付き合いくださり、ありがとうございました。

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