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養生訓 巻第五 五官 鳳凰堂流解釈⑨

原文を現代文に改変
凡そ1日に一度、我がこうべより足に至るまで、惣身残らず、殊につがいの節ある所、
悉く人に撫でさすりおさしむること、各所十遍ならしむべし。

先ず百会の穴、次に頭の四方をめぐり、次に両眉の外、次に眉尻、又鼻柱の脇、耳の内、耳の後ろを皆押すべし。

次に風池、次に項の左右を揉む。左には右手、右には左手を用ゆ。次に両の肩、次に臂骨のつがい、

次に腕、次に手の十指をひねらしむ。次に背をおさえ内動かすべし。

次に腰及び両膝、次に脛の表裏、次に足の踝、足の甲、次に足の十指、次に足の心、皆両手にてなでひねらしむ。

これ壽養叢書の説なり。我が手にて自らするも良し。

鳳凰堂流意訳
1日に一度は、自分の頭から足まで、全身くまなく、特に関節部位はできるだけ人に撫でさすり、押してもらう。各所10回は押してもらう事。
1.頭蓋:百会穴、頭維から頭頂部
2.顔面:両眉の外、眉尻(太陽穴)、又鼻柱の脇、耳の内、耳の後ろを全て押す事。
3.後頭部:風池、項の左右を揉む。左は右手、右は左手を用いる。
4.上半身:両の肩、上腕の関節、前腕、十指を捻る。
5.背部:背中をおさえ動かす。
6.腰部、下半身:腰及び両膝、脛の表裏、踝、足の甲、足の十指、足心、全て両手でなで
捻る。
これは壽養叢書の説である。自分の手で自らで行っても良い。

鳳凰堂流解釈

全身按摩、ボディケアについて書かれています。
鳳凰堂流はこれに関しては、第一に自分で行う事。どうしてもできない場合はマッサージ、按摩、推拿、手技療法などで代用しても良いが、強くしないことを指導しています。

自分で行う事で、自分が気づかなかった部分への気づきが生まれ、自分の身体をより大切に扱うきっかけになります。

人にしてもらう利点は、自身は力を極力抜く事ができる、自身で行うよりもリラックスできるからと言う点と熟知した人にしてもらうと深いリラックス、リフレッシュができるというところでしょうか。

江戸時代も按摩業があっただけに、貝原益軒は人にしてもらう事を普通に考えていますが、鳳凰堂流ではこの点は異なりま

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