養生訓 巻第四 飲酒 鳳凰堂流解釈①
原文を現代文に改変
酒は天の美祿なり。
少し飲めば陽気を助け、血気を和らげ、食気を巡らし、愁を去り、興を發して、甚だ人に益あり。
多く飲めば又よく人を害する事、酒に過ぎたるものはなし。
水火の人を助けて、又よく人に災あるが如し。
邵堯夫の詩に、美酒飲んで微酔せしめて後と言えるは、酒を飲の妙を得たりと時珍言えり。
少し飲み少し酔えるは、酒の禍なく、酒中の趣を得て樂多し。
人の病、酒によって得るもの多し。酒を多く飲んで飯を少なく食う人は命短し。
かくの如く多く飲めば、天の美祿を以て却って身を亡ぼすなり。悲しむべし。
鳳凰堂流意訳
酒は天から授かったご褒美。
少し飲めば陽気を助け、血気を和らげ、食気を巡らせ、愁いを除き、楽しくなる、人にとって非常に有益なもの。
又たくさん飲めば人を害する点も酒以上のものはない。
水や火が人を助ける反面、よく人に災をもたらす事と似ているある。
邵堯夫の詩に、美酒飲んで微酔せしめて後と言っているのは、酒を飲む際の妙を得ていると李時珍は言っている。
少し飲み少し酔うのは、酒による禍がなく、酒の趣を得る事ができ楽が多い。
人の病は酒から来るものが多い。
酒を多く飲んで飯を少なく食う人は短命である。
多く飲みすぎは天から授かったご褒美を使って、身体を壊しているのと同じである。悲しむべきである。
鳳凰堂流解釈
酒は湿熱の塊で、気を迅速に流します。
少しの熱は冷えを取り除き、元気を出し、
少しの湿気は潤いと栄養を与え、心を前向きにします。
過不足なく丁度良い加減が大切。
これを越えると身体の中は水浸しになり、その人の自制心を奪い、依存してきます。
天からの贈りものと書かれているように、ここぞと言う時に少しだけ飲むのが良いですね。
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