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044_『ミッドサマー (MIDSOMMAR)』 / アリ・アスター

"祝祭"という言葉が好きで、各言語での"祝祭"を意味する言葉に反応してしまうのだけれど、とりわけフランス語の"fête"という言葉の響きがお気に入り。

さて、このアリ・アスターの『ミッドサマー』。

スペルは"SUMMER"ではなく"SOMMAR"なので注意。この言葉は、舞台となるスウェーデン語で"夏至祭"を意味する言葉。発音は"ミィドソンマル"。日本人には発音しやすそう。

予告編を観るとわかる通り、スウェーデンのとある村での夏至祭における特別な9日間が描かれる。実はこの年の夏至祭は90年に一度の特別な祭り。まさに祝祭。そして、その祭りにやってくるアメリカからの5人組。

この映画。ホラーというジャンルに括られているようだけれど、これはまったくの違和感。何故なら、これは祝祭なのだから。そこで起こるべきことは、起こるべくして起きたこと。そこには恐れや悲観するような感情が立ち入る場所はなく、喜びしか存在しない。

レビューを読むと「冗長過ぎる」という言葉も散見されるけど、2時間半のこの作品、個人的にはその長さをまったく感じなかった。

そのかわり、圧倒的に疲労感はあったけれど。。まるで祭の後のような気分。

ある種のトリップ感はあるので、観る人を選ぶ映画ではあるけれど、間違い無く傑作と言える作品。ただ、人に薦めるような作品ではなく。

強いて言うならば、作品に呼ばれた人が観るべき作品。そういう種類の作品。




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