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004 さいたま市民会館おおみや(閉館済み)

(この記事はさいたま市民会館おおみや様に撮影執筆の確認・了承済みの記事です。)

一年を通して四季を感じさせてくれる氷川参道沿いにあったさいたま市民会館大宮。大宮というと駅前のビル群など市街をイメージする方も多いと思うが、実は氷川参道まで歩いてくると区画もゆったりしてきて、雰囲気が変わる。
参道を会館まで歩いてくると目に入ってくるのは、参道にせり出した建物部分。


直線を感じるデザイン。

このぐらいの時代(70年代)のホール・会館は正面エントランスから入るとロビーがあり、開口部が多く、採光もたっぷりというデザインの印象がある。(市民会館大宮は現在レイボックホールという複合ビルに移転した。)


右手に氷川参道、左手は大宮駅東口から伸びる道路がある。両方からアクセスできる。

小ホール

上の写真に写っていた大ホール手前の小さな建物は、小ホールへの入り口だった。案内看板の字体や矢印の形が愛らしい。左側の丸い電気も最近なかなか珍しいタイプのものが取り付けられていた。


小ホールへ下る階段の上に吊り下げられていた照明がとてもモダンだった。

大ホール


ガラス部分の内部はロビー。


ガラス越しに見える筒を半分に切ったような形のプランターがまた、いいアクセントになっている。

会館内部

日中に会館内に入ると、日差しがたっぷり降り注ぎ、とても明るい。

小ホールの照明とリンクしたデザインなのだろうか。こちらはゴールドに、らせん状の小さな飾りがゆるやかに巻き付いている。
中2階から見下ろしたロビー。

中2階のデザイン

手すりと柱と・・・

中2階はゆるやかに反り返った形の木の手すりが目を引いた。その土台部分のコンクリートも、三角のような多角形のような、面白い形をしている。その後ろに聳える、1階からつながるリブ状の柱も相まって、この写真にいろんな形が映り込んでいるところがにぎやかでいい。さまざまな楽器が同時に鳴るオーケストラを連想した。


中2階奥。大ホールのロビー。よく見えないが壁面には肖像画が貼られている。左手と右手にホールの入場口がある。

さいたま国際芸術祭2023での内部

現在閉館となってしまった当会館だが、一度閉館して、足場が組まれたときに「ついに解体か」と早とちりしたことがある。その時、埼玉で建築をめぐってみた製作委員会様が「埼玉国際芸術祭で使われるようです」と正しい情報を教えてくださり、プログラム内容も興味のあるものだったので、芸術祭仕様になった会館を再び見に行った。

上記で少し書いた中2階の大ホール壁面の肖像画は撤去され、代わりに盆栽が等間隔に展示されていた。朱色のタイルに盆栽の緑が映え、とても洗練されていた。そして開館時からあったハニカム型の椅子、こちらもこの場で存在感を放っていた。

約50年もの年月の間、市民に娯楽と教養を与えてくれたホールが閉館し、その役目が複合ビルに引き継がれるということだが、これからこの氷川参道はどのように変化していくのだろう。すぐ向かいには図書館と区役所の複合施設も2019年にオープンし、周囲に新たな刺激を与えている。これからもこの街がよりよい発展へと進み、ここから良い文化が生まれていく事を願ってやまない。


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