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古い建築を訪れています。 共著:いいビルの世界(2017)

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最近の記事

庇が丸い建築

先日、Eテレの「歩く歩くまんぽ旅」という番組を見ていたら、建築史家の倉方俊輔さんが、コルビュジエのインドのキャピトル・コンプレックスの話をされていた。 インドのチャンディーガルのコルビュジエ建築(キャピトル・コンプレックス)について(英文サイト) こちらは、コルビュジエとコルビュジエの共同設計者が都市を丸ごと設計するコンセプトで、様々な公共建築物が建てられた事で知られている場所。その中の一つの州議事堂の庇がくるんと丸まっている。 コルビュジエといえばロンシャン礼拝堂が一

    • 埼玉りそな銀行の建築 その2

      「その2」にするか「PART2」にするか迷った。前に月曜から夜ふかしを見ていたら、「大都会PARTⅡ」というドラマが大好きなおじさまが出てきて、そのおじさまは「大都会PARTⅡ」を連呼されており、PART2と言うともう頭の中にそのおじさまが浮かんできてしまう。 まったく内容と関係の無いことを書いてしまった。これはそんな人が書いているブログ。 さて話を戻しまして埼玉りそな銀行の建築その2について。 前回の記事はこちら↓ 川越の「誘い系りそな」 さそいと書いていざないと読ん

      • 埼玉りそな銀行の建築

        大企業はむつかしい・・・ 街歩きをして見つけるたびに撮り溜めている「埼玉りそな銀行」のプレキャストコンクリート造のシリーズなのだが、これに関してはほぼデータが無い。 各店舗が何年に作られて、設計者は同じなのか(白いプレキャストコンクリートのものが多いため)、エントランスにあしらわれているガラスブロック(またはポイントでのガラス使い)がほぼ同じ色なのは企業のテーマカラーなのか、とか色々と聞きたいことがある。 色々と聞きたいので、おそるおそる、埼玉りそなのコールセンターに問

        • 004 さいたま市民会館おおみや(閉館済み)

          (この記事はさいたま市民会館おおみや様に撮影執筆の確認・了承済みの記事です。) 一年を通して四季を感じさせてくれる氷川参道沿いにあったさいたま市民会館大宮。大宮というと駅前のビル群など市街をイメージする方も多いと思うが、実は氷川参道まで歩いてくると区画もゆったりしてきて、雰囲気が変わる。 参道を会館まで歩いてくると目に入ってくるのは、参道にせり出した建物部分。 このぐらいの時代(70年代)のホール・会館は正面エントランスから入るとロビーがあり、開口部が多く、採光もたっぷり

        庇が丸い建築

          003 幸手市役所

          地震の多い日本、ピロティ構造の建築物はなかなかに少ない気がしている。関東だと一番よく知られているのはおそらく上野にある国立西洋美術館なのだと思うけれども、ほかにパッと思い浮かぶものはなかなかにない。 そんななか、古い公共施設について検索していたところ、どうもこの幸手市役所はピロティ構造のように見えるぞということで、ある日訪れてみた。 最近読んだ本によると、ピロティというのはもともとピロティの下に人々が集うコンセプトで作られていたらしい。だけどもこれは「3分の1ピロティ」のよ

          003 幸手市役所

          丸い人工物を集めて・・・

          街の写真を撮る人の中には、丸いものに惹かれるという方も多いのではなかろうか。かくいう私も、丸い人工物を見つけるとなんやかんやと言いながら写真を撮っており、カメラロールには、各地で撮った丸いものがぽつぽつと保存されている。 ビルの上の丸いものたち ふと見上げると、ビルの上に丸い建物がくっついているのを見つけることがある。 千葉県 群馬県 東京 神奈川県 丸い駐車場 つづいては駐車場部門。一部ではグッゲンハイム駐車場とも呼ばれ愛されている、らせん状の駐車場も、見か

          丸い人工物を集めて・・・

          002 春日部市役所(閉所済み)

          前回投稿分と時期は近く、これもコロナ禍の時に撮影したもの。4,5年前は公共建築物の建て替えラッシュが始まっていた。あちこちマークしていた建物の閉館・建て替えのニュースをぱらぱらと目にすることが増え、自分なりにリストにまとめたりもした。 この春日部市役所もその一つで、湾曲した庁舎が特徴的な建物だった。来庁者を迎え入れるようなカーテンウォール、そして庁舎を構成している「端っこ」の部分もぐいんとカーブしている。 庁舎側面の反り返り 庁舎の裏側・タイルとプレキャストンクリートが

          002 春日部市役所(閉所済み)

          001 さいたま市民会館うらわ(閉館済み)

          ※本記事の写真はすべて市民会館うらわ様の撮影・掲載許可を頂いているものです。 コロナ禍で緊急事態宣言が出たり解除されたりと、日々落ち着きの無い空気の漂っていたこの時。市民会館うらわの閉館というニュースが目に飛び込んできた。 古い建物に関心を持って歩いている身のため、こちらの会館もこの近辺で何かと用事があれば、外壁の丸タイルの1枚1枚の濃淡を眺めたり、触ってみたり、特に公演を観る予定が無くとも、中のロビーの雰囲気を味わったりしにきていた。 その為、閉館のニュースを聞いたとき

          001 さいたま市民会館うらわ(閉館済み)

          「むかし」の欠片を求めて

          仕事で様々なビルを出入りしていた時に見かけて、忘れられない物があります。それは今のようにメールではなく、手紙で仕事のやり取りをしていた時代に使われていたのであろう、「ビル上階から1階に集積するための手紙用の筒」です。つまり上の階から筒を通して、1階の郵便収集用の箱に手紙が集められるという仕組みになっているもので、初めて目にした時には、「このような大型ビルでは、こんな工夫がされていたのか」と驚いたものでした。20年ほど前に丸の内の鉄鋼ビル内で見かけたのですが、それを見て以降、鉄

          「むかし」の欠片を求めて