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002 春日部市役所(閉所済み)

前回投稿分と時期は近く、これもコロナ禍の時に撮影したもの。4,5年前は公共建築物の建て替えラッシュが始まっていた。あちこちマークしていた建物の閉館・建て替えのニュースをぱらぱらと目にすることが増え、自分なりにリストにまとめたりもした。

この春日部市役所もその一つで、湾曲した庁舎が特徴的な建物だった。来庁者を迎え入れるようなカーテンウォール、そして庁舎を構成している「端っこ」の部分もぐいんとカーブしている。

正面のカーブ、側面のカーブ。
堂々としたエントランス。神殿の柱のような飾りがあしらわれている。
ストリップ階段の一種なのだろうか。コンクリート階段でも軽やかに見える。
防災・防犯放送に使われていたようなスピーカー。ガラスのサンルームのような小部屋が気になった。
エントランスの庇もぐいんと反り返っている。

庁舎側面の反り返り

なんと庁舎の脇にあった小さな出入口の庇も小さく弧を描いている。釉薬タイルが側面全体に貼られている。
側面のみを全体で撮るとこうなる。出入口の庇のぐいん、庁舎側面の壁全体もぐいんと反り返っていて、すべてのデザインが呼応しているように感じる。

庁舎の裏側・タイルとプレキャストンクリートが繋がる

庁舎を裏手に回ってみるとこのようになっている。見事にカーブを描く庁舎。そして鈍く光る釉薬タイルの佇まい。
上のタイル張りの庁舎は、裏手でこの低層・プレキャストコンクリートの建物と繋がっている。プレキャストコンクリートは建物自体の幅が広くなるほど重厚感が出て、かっこいい。庁舎自体がカーブで構成されているのに対し、こちらは直線を感じる。


庁舎の裏手にある低層棟だが、裏手とは思えない迫力のあるプレキャストコンクリ―トだった。
このようにつながっている。


もう一つ見事だったのは、このコンクリートの階段だ。まるで彫刻作品のようだった。

どこか不安だった青空と重厚な庁舎

この日の青空は澄み渡っていて、どう撮っても庁舎はくっきり映り、きれいに撮れたと思う。だけど世間はまだ混乱のさなか、自分の気分としてもどこか見通しの見えない世の中に不安な気持ちが頭の隅っこにこびりつきながらの撮影だった。
とはいえ、無くなる前に美しい姿を収められて良かったと思う。

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