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「良い職場に巡り会えない」から抜け出す方法

私は5年前に長く勤めた職場を退職し、少しのフリーランス経験を経て訪問看護ステーションに復職しました。それも含めると、転職経験は2回あります。
転職1回目の職場で「ああ、転職失敗したかも」と感じて、2つ目の職場の面接を受けました。
2つ目の転職先では人間関係も良く、楽しく働かせてもらいましたが、なんとなくしっくりこない。ちなみに、1つ目の職場と2つ目の職場は掛け持ちしていました。
結局、1つ目の職場に専念することに決め、現在に至ります。

この間、2年ほどでしたが、常に「私はどうやって働きたいのか」を自問自答する日々でした。
「良い職場に巡り会えない」
「楽しいけど、物足りない」
「大きな不満ではないけど、小さなモヤモヤがある」
「自分は何をしたいのだろう」
はっきりしない気持ちを抱えながら、3つ目の転職先を探す日々。
このような自分の状態を、『良い職場に巡り会えない症候群』と勝手に名づけ、自分自身を観察していました。
結局、2年間の掛け持ち期間を経て、1つ目の職場に戻ることになった私の思考を、少しだけシェアしたいと思います。
現在、職場に不満がある・転職を考えているという方の参考になれば。

モヤモヤの原因

私が1つ目の転職先について「失敗した」と感じた理由はいくつかありました。
転職時には見えなかった組織内の問題、管理者と職員の関係性、賃金。
退職・転職を考えるとき、「この職場のどこに不満があるのか?」をしっかりと分析するのは大事だと思います。

何を優先するのか

私の場合、モヤモヤの原因は大きく3つ。
①組織の在り方
②管理者と職員の関係性(人間関係)
③賃金
でした。

そして、2つ目の職場に転職(掛け持ち)するのですが、ここでは
①組織の在り方
②仕事内容・やりがい
に不満を感じます。

自分は何に不満を感じやすいのか、どこまでなら妥協できるのか、何を優先したいのか、じっくり考えました。

まずは、組織の在り方について。
「どんな職場でも100%完璧なところなんてない」というのが私の基本的な考えです。
組織ごとに理念があり、トップの考えがあります。
そしてそれは、一人ひとりの考えが違うように、自分に必ずしもフィットするものではありません。正確には、フィットする(共感できる)ところもあるけど、できないところもある。自分ではない人間が組織を作った以上、当然のこと。
組織の粗探しをするよりも、自分にできることをやろう。
改善すべきことは、声を出していこう。
変えられない・声を出しても変わらないところは、「そういうものだ」と妥協しよう。
こんな風に考えることにしました。
これを私は、「前向きな妥協」と呼んでいます。悲観したり投げやりになったりするのではなく、ポジテイブな諦めです。
前向きな妥協ができるという点で、「組織の在り方」は、私の中でそれほど優先順位は高くないことがわかりました。

ちなみに、人間関係も同様です。
「相性が完璧に合う人なんていない」「他人に期待するから不満が出てくるのだ」ということに気付いてからは、他人に期待せず、あらゆることを自分事として考えるようになり、管理者や職員への不満もほとんど感じなくなりました。
人間関係も、優先順位としては高くないことがわかりました。

次に、賃金です。
これについては、たくさん頂けるに越したことはありませんが、普通に生活できて、住宅ローンの支払いができて、子供にひもじい思いをさせない程度の賃金を頂ければ問題ない、というのが私の基本的な考えです。
1つ目の職場でなぜ賃金への不満が出たかというと、これまでの私のキャリア・専門性を評価してもらえていないと感じたこと、看護師の業務内容を理解してもらえていないと感じたことが原因でした。
これについては、社長(医療職ではない)と直接交渉して、賃金アップが実現しました。
ただ、現在も売上に応じて賃金(時給)が変動するので、うーーーーんと思わなくはないですが、まあそれもビジネスなのかな、と割り切っています。
賃金も、それほど優先順位としては高くないことがわかりました。

次に、仕事内容・やりがいです。
1つ目の職場は訪問看護、2つ目の職場は訪問看護ではない職場でした。
看護の仕事に変わりはなく、どちらも楽しめていました。
賃金は、2つ目の方が高め。
人間関係は、どちらも困ることはありませんでした。
……が、2年間掛け持ちをして気付いたことは、「やっぱり訪問看護が好き」ということでした。
訪問看護に専念したい、もっと経験を積みたい。
その一心で、2つ目の職場を退職し、1つ目の職場(訪問看護ステーション)に戻ることに決めました。

簡単に書くとこんな流れなのですが、大事なことは『自分が何を優先するのか』を明確にすることだと思います。
私の場合、優先順位は圧倒的に「仕事内容・やりがい」でした。
組織の在り方も、人間関係も、賃金も、前向きに妥協できることがわかりました。

優先順位がわかると楽だ

優先順位がはっきりしていると、いい意味で諦めがつきます。
私の場合は、優先順位上位のものが満たされることで、それ以外のところは「まあ、いっか」と思えることがわかりました。
いろんな部分に気持ちを分散させるとしんどいので、自分の中で「ここだけは譲れない」というものを持っているといいのかなと思います。

ちなみに、日記や雑記ノートにその時々の感情や正直な気持ちを書いていくと、だんだん自分の思考がクリアになっていくのでおすすめです。

まとめ

結局は「自分の中の大事なこと・優先順位をはっきりさせようね」という、すでにいろんな人が言われていることと同じなのですが、非常にシンプルかつ重要なことだと思います。
そして、妥協することも同じくらい大事。
妥協と聞くと、諦め・後ろ向きな印象に捉える方もいるかもしれませんが、全てがそうだとは思いません。
ときには「前向きな妥協」が必要です。
もっというと、あらゆる悩み事を「それくらいのこと、どうでもいいわ」と思えたら最高。
ポジティブに諦めるのです。

以上、私なりの「良い職場に巡り会えない」から抜け出す方法でした。


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