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コラム 勉強に欠かせない暗記の話〜脳の仕組みから考える〜


勉強において「暗記」ってめちゃくちゃ大事になりますよね。
ただ教科書や参考書を使ってどれだけ一生懸命覚えても、3日4日経つとすぐに記憶から消えてしまう。

生徒や保護者のみなさんも、同じような経験ありませんでしたか?
今回はそんな「暗記」に焦点を当てて、暗記のコツではなく、
記憶を司る”脳の仕組み”から考えたときに、暗記をする上で大切なことは何なのかをご紹介させていただきます!

記憶のメカニズム

まず記憶のメカニズムからご紹介をします。
下のイラストをご覧ください。

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脳はいくつかの部位に分かれており、そのうち人間の記憶に関わる部位としては 海馬(かいば)という部位が大きく影響をしています。海馬は、漢字の通り、タツノオトシゴのような形をしており、イラストでいくと青色の部分になります。

海馬は、記憶や情報を一時的にためておく役割を果たしており、「短期記憶」と呼ばれます。

これを勉強で考えると、教科書や参考書を使って覚えた内容が一度蓄積された状態。ただそのままでは、数日もすればすぐに忘れてしまいます。

まさにその状態にあるのが、
海馬に記憶や情報が一時的に蓄積された状態=短期記憶になるのです。

ただ、定期テストや入試で問題に対応できるようにするためには、暗記した内容を定着させる必要があります。それでは、暗記した内容を定着させるためにはどうすればいいのでしょうか?

海馬の特徴

ここからは海馬の特徴を踏まえて、暗記の定着方法について考えていきたいと思います。
海馬の特徴は、大きく4つあると言われています。

① すぐに忘れる
② 生死に関わる情報はすぐに覚える
③ 入力より出力
④ ストレスに弱い

■ 1つ目の特徴は、「すぐに忘れる」です。
先ほどからお伝えしていますが、暗記を定着させるためには、
短期記憶をいかに長期記憶に変えられるかが大切になります。


ここで押さえておくべきは、海馬の2つ目〜4つ目の特徴です。

■ 2つ目の特徴は、「生死に関わる情報はすぐに覚える」です

 文明などまだ発展していない大昔。人間は、自然に生えている植物を食べていました。ただどの植物は食べていいのか、食べてはいけいないのか見分けはつきません。
 そんな中、人間が毒のある木の実を食べてしまい、身体がしびれてしまったとします。ただその記憶をすぐに忘れてしまえば、人間は生き残る上でどうしても不利な状況になってしまいます。
 ですので、2つ目の特徴の「生死に関わる情報はすぐに覚える」ように、人間が生き残る上で必要な能力として発達したと言われています。

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 全くの余談ですが、学生だった頃を思い出すと、勉強をしていたとき、この感覚がかなり近かったように思います。(塾長談)

学生時代の私の心の中
「赤点とったら、親に叱られる‥」
「追試取ったら、部活の先輩や先生に怒られる‥」
「何としてもこのテストだけは合格しないとまずい‥」

 そんな危機感とある種の思い込みによって、勉強のときの暗記につながったのかもしれないなと思ったりしています。
 ただこれを普段の勉強方法に役立てることは、全くオススメしませんので、参考にはしないようにしてください(笑)


■ 3つ目の特徴は、「入力より出力」。
 
ここはとてもとても重要です。
 暗記するには、情報や知識を入れることも大事ですが、一度記憶した内容を思い出したり、自分で赤シートで隠してきちんと覚えているか確認テストをしてみたりと、とにかく出力することを意識しましょう。

「何時間もかけて教科書を見ながらノートにまとめて覚えてみたけど、実際全く覚えられていない‥」

 これは、まさに海馬の特徴を捉えた勉強方法になっていないため、起こっている事象です。出力を意識して、自分が覚えた内容をまとめるのであればまだしも、ただただ書き写す”作業”となっているため、出力ではなく入力ばかりになっているため、全く身についていないのです。
必ず「思い出す」「確認する」ことを意識するようにしましょう。

■ 4つ目の特徴は、「ストレスに弱い」です。
 海馬はストレスを受けると萎縮してしまい、人間は効率的に記憶することができなくなってしまいます。ストレスは、暗記においてはよくないのです。
 この話でいくと、例えば受験。受験は生徒たちにとっては全く初めての経験となります。結果がどちらに転ぶか見えない中で、不安や心配に襲われます。そこで例えば、

「勉強しなさい!」
「受験生なんだから、いい加減やりなさい」
「いつまで休んでいるの!いい加減にしなさい」

というような言葉が、意外とストレスになってしまっていたなんてことはよくあります。人は危機感がモチベーションになって動くこともあります。ただし、必要以上のストレスになると勉強において必要不可欠な「暗記」ができなくなってしまう可能性もあります。

ですので保護者のみなさまは、ときとして【見守る】というスタンスも大切であるということを少し頭の片隅においていただけたら幸いです。

まとめ

というように、今回は記憶のメカニズムを紹介しながら、暗記において大事なことをお伝えしてきました!

ネットでも言われていることから、大きく変わったことを言うつもりもありません。ただちょっと違った視点から「暗記」というものを考えてみると面白いかなと思い、紹介をさせていただきました!

ちなみに、Youtubeで大人気のオリエンタルラジオの中田敦彦は、
受験生だったころ脳の仕組みを理解してから勉強をしていたそう!(この人やっぱり賢いな‥とつくづく思います)


こちらの動画では、記憶以外の脳の仕組みも解説してくれています。
もしお時間がある方、興味のある方はぜひご覧ください!!

引き続き、スタッフ一同全力でサポートさせていただきます!
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


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