見出し画像

「リトル・マーメイド」感想

黒人ドレッドヘアの賛否で話題になってるのが実写リトル・マーメイドの第一印象だった。ディズニーの「ウチらが先頭に立って平等な社会を作るんや!」的スタンスで無茶なねじ込み方をするのは鼻につくっちゃあつく。でもまあ意義はあるわけで、ノンポリの僕が言うことは何もない。究極のところ面白ければ正義なのである。

何もない土曜の夕方「リトル・マーメイドに人魚の白骨死体がでてきた」というツイートを見かけて、じゃあ見なきゃとすぐに家を出た。最寄りのイオンシネマ、僕はイオンの株主なので映画が安く観られます。ご機嫌よう。

主人公アリエルが人型になってる3日間のうちに王子様とキスをしなければ彼女の身が危ない、という背景のわりに、王子エリックとのデートシーンでは事情を知ってる蟹・鳥・魚が物陰に隠れながら「キスしろ!それ、キース!キース!」みたいなのんきな歌を歌いだしたりして、僕も切羽詰まった事情を忘れて友達の恋愛かのように一緒になって応援していた。応援上映なら声が出てたかもしれない。このときの歌が本当によかった。

「それ、キース!キース!」の歌はよかったし、有名なアンダー・ザ・シーを歌うシーンは映像に映える魚介類のダンスも相まって最高の仕上がりだった。鳥が「王子が今夜プロポーズするらしい」とラップでまくし立てるシーンもアツい。探したらあった。

アリエル陣営もエリック陣営も、お互い事情があるとはいえ、初っ端から「お似合いじゃん、GOGO!」なムードが出ていて微笑ましかった。しかし全貌を知っている僕が親心から言わせてもらうなら、そもそもアリエルが溺れてるエリックを助けて、意識のないエリックに抱きついて「ずっと一緒にいたい」などと歌い出すのは、なんで?と思う。助けられた側ならともかく、助けた側が?人となりも禄に知らないのに。人間への憧れと吊り橋効果の合せ技で錯覚してるだけだから、いったん冷静になろう。パパはそう思います。そういう変なところを差し引いても、夢中になれる映画だった。人魚の白骨死体も出るし。

ひとつ、本当にどうでもいいことなのだが、蟹のセリフが字幕で「力になろう」と表示されたとき「『カニになろう』に見えるな~」と思った。
こういう話を脱線して書くにはウケ期待値が見合わない余談って、みなさんはどう消化・昇華していますか?教えてください。

この記事が参加している募集

#映画感想文

66,651件

いただいたサポートは活動費に使わせていただきます。※活動費:ドーナツ、カステラ、シュークリームなど