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【ホツマ辞解】 ~大和言葉の源流をさぐる~ その③「ほつま」と「やまと」前編 <91号 平成29年6月>

 「ほつま」は、叙事詩の本名。「やまと」は我が国の国号に所縁ある重要語句で、ともに深い意味をもちます。

 どちらも、もともとは「徳治」を美称する同義語であり、「優れて調い、秀でた円満(なる治政)」を意味し、「和を以て貴しとす」の「和」を表す言葉です。

 「ほつま」は、「秀つ真」(すぐれた誠)とみるのが素直ですが、「ほ(陽・穂・秀)」が「建つ・積む」の意を含むと観ることも出来そうです。生長や成熟の相をもつのは、「ホツマ君」と称えられた「東の君(日の出の君)」トヨケ大神と、「シワカミ(地上のすぐれた)ホツマ」を治国したニニキネ大神のご業績を想起させるからです。

 25アヤで、ウツキネ(山幸彦)が九州に「ツクシ治君」として赴任していた頃に今日の「お田植え神楽」が始まったと所伝がありますが、それを「ほつまあそび」と云うのは、「ほつま」が(特に稲の)生育を象徴する語句でもあるからでしょう。

「やまと」は、「トの教ゑ」がまさしく徹って調い和合した様を表現します。

「弥・真・十」即ち、「ますます栄える まことの大同同和」を意味します。「大和」の漢字表現は、すぐれた選択です。「ヰヤマト/ヤマト/マト/ト」の各表現が文中にみられますが、総て同じ意味が根本。

「ひのもとやまと」は、それを視覚的に観相的に、的確に表現するものであり、「日の丸」もしかり、十六八重表菊の国章も、「やまと」を意匠したものであることが、ホツマツタヱを学ぶことで理解出来ます。

この「やまと」の淵源は「おおやまと」にあります。

【 皇子は 天日(あまひ)の 位のる 日の山の名も
大山(おおやま)ぞ 故(かれ)大山麓(おおやまと)
日高見の 靖国(やすくに)の宮 】 ホ6アヤ

 この大山とは、霊峰富士のことで、天照大神が、この富士山麓に都を建てて知らしめした国々(その中心はホツマ国)に隅々まで行き届いた徳治(の理想型)が原点です。

 「ほつま」にこそ「やまと」があったといえます。

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我が国の国号をホツマから読み解いたコラムです。「日本」国号のもとになる「ひのもと」の以前から呼称されていた「やまと」と、ヤマトとも密接な意味合いがある「ほつま」を考えました。「ホツマツタヱ」の書名ともなる「ほつま」です。

名前とは、最も大切な言葉であるにもかかわらず、我が国の国号については、「日本は、ニホンかニッポンか」くらいしか省みられず、本当の国号に秘めた思いを私たち日本人は知ることもなく暮らしています。遙かなる始祖の神々が、どのような国造りを理想として努力したかを学ばずに、この日本を守り、次代へ継承していくことは出来ません。国号には、始祖の神々の祈りが込められているのです。

他国の一般的な国号の成り立ちを知っておくことも、我が国の独自性、異色性、を理解する上で役立つでしょう。ちなみに、ネット上で、「日本国の国号起源」を謳うものの中には、ホツマツタヱ解釈による事実と適合するものはほぼありません。

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