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ヴィジュアル系インサイドセールスが書く「ホッとする」ノート:ナイトメアというバンドが私に魅せた悪夢

このnoteは、2019年10月23日に配信した「ホットリンクのメルマガ」のバックナンバーです。メルマガ講読フォームはこちらhttps://service.hottolink.co.jp/mailmag/

こんにちは。ホットリンクのヴィジュアル系インサイドセールス、堤です。
今回は私のバンドマン時代の実体験から「固定観念とは正しいのか?」という話をしたいと思います。



誰かが決めた常識やルール。それは本当に正しいのでしょうか?
私は今まで、いつの間にか、なんとなく誰かと同じ行動をしている事がありました。



しかし必ずしもそれで上手くいく訳ではなく、むしろ常識を破った誰かが成功する事もある。
みなさんも、そんな体験をした事があるのではないでしょうか?



これは私がバンドマン時代に経験した悪夢~ナイトメア~のお話・・・。




私は地元でのバンド活動に満足ができず、高校卒業と同時に、東京のヴィジュアル系バンドシーンに飛び込みました。
そこはもう別世界。音楽に魂を売った奴等が集まる、戦場でした。



ほとんどのバンドは始めから人気がある訳ではないので、いきなりワンマンライブはできません。
まずは200人規模程度のライブハウスで、1日の出演が5バンド、各バンド持ち時間は30分、といったイベントに出演します。
その中で、突出できるバンドが集客が増えていき、ワンマンライブなど次のステージへと進んでいきます。



全国から集まった数多のヴィジュアル系バンドが、夢を叶える為に、人生を賭けて1つのステージで戦う。
次に売れるのは自分なんだと、強く信じて・・。



私のバンドも、そこからスタートしました。
当時、数多のバンドが周りにいましたが、その中にはシド、ガゼット、ナイトメアといった、後に日本武道館や、さいたまスーパーアリーナ、更には東京ドームというステージでワンマンライブを行う事になるモンスターバンド達がいました。



彼らは始めからモンスター級だったのかというと、そんな事はなかったように思います。
当時から良いバンドでしたが、他にも良いバンドはたくさんおり、しかし消えていった・・・。



何が違ったのか?それぞれ違う要素がありますが、今回はナイトメアの話をします。
ナイトメアは現在活動休止中ですが、来年2月に横浜アリーナで復活のワンマンライブを行うと発表し
現在、音楽シーンで再度注目を浴びているバンドです。



当時ナイトメアは、彼らの地元である「仙台のナンバーワンバンド」という肩書きを持って東京に進出してきました。
注目はされていましたが、地方のトップバンドが激戦区の東京で負けるというケースは多々あります。
ナイトメアも「東京では通用しない」とよく言われていました。



私が初めてナイトメアのライブを見たのは、同じイベントに出演した時でした。
私のバンドの次がナイトメアという出演順だった為、出番が終わってから、そのままステージ袖でライブを見ました。



(みんな通用しないと言っているけど、実際どうなんだろう?)



・・・そこで私が見た光景は、悪夢のようでした・・・



当時、ヴィジュアル系バンドのシーンでは暗黙のルールがありました。


・ダイブなど危険行為をしない事
・演奏はしっかりするのがカッコ良い


一昔前に過激なパフォーマンスをするバンドが多かった事もあり、
そういうのは止めようという風潮がどこからともなく流れ、私含め、こぞって皆がおとなしいライブをしていました。



初めて見るナイトメアのライブ。
激しい曲調のオープニングSEがかかり、1人ずつメンバーがステージに登場します。
最後にボーカルのYOMIさんが登場したのですが、まさかの、そのまま客席へダイブ!!



狭いライブハウスに限界まで人が入っている客席が、ぐちゃぐちゃになり一気にカオスになります。
スタッフに救出されるようにYOMIさんがステージに戻ってから「全員でぶっ潰せ!!!!」という絶叫から1曲目がスタート。



会場のボルテージは一瞬で最高潮まで上がり、ワンマンライブかのような雰囲気です。
それぞれの想いをステージにぶつけ、熱狂する少女達。



ラストまで圧巻の盛り上がりを見せ、メンバーがステージから去っていき、そのまま終わるかと思いきや・・・。
ギターの柩さんが、糸が切れた操り人形のような奇怪なアクションをしながらそのまま客席に落ちていき、またもカオスに・・。



その光景は、私にとっては悪夢のようでした。
1本1本のライブを大切に、いかに集客に繋げていくかを考えてやっていましたが、間違いなく全てナイトメアに持っていかれたと感じたからです。



実際イベント終了後に、他のバンドの事なんて、ほとんど誰の印象にも残っていなかったと思います。
それくらい、ナイトメアだけが異質で衝撃的なライブでした。



その後、とてつもない勢いでナイトメアはインディーズシーンを駆け上り、メジャーデビュー、アニメ「デスノート」の主題歌、
そして日本武道館や、さいたまスーパーアリーナでのワンマンライブと、モンスターバンドとなっていきました。



ナイトメアが他のバンドと何が違ったかというと、暗黙のルールや固定観念を破った事が、1つ要因としてあると思っています。
「ヴィジュアル系バンドもおとなしく演奏するべきだ」というルールをいったい誰が作ったのか?
そもそもそんなルールはなかったのです。



ヴィジュアル系バンドのファンの方達は「非現実」を求めています。
日常生活では有り得ないメイクや衣装、ステージでのパフォーマンス。
そして、誰にも言えない悩みや、やり場のない想いをライブハウスで全てぶっ潰してしまいたい。忘れてしまいたい・・。



私自身も高校生の時そうでした。ヴィジュアル系バンドのファンとしてライブハウスに通い、自分の気持ちを代弁してくれ、
向き合えない現実を全て破壊してくれるバンドマンが私のヒーローだった。



おとなしく良い演奏が聞きたいのであれば、ヴィジュアル系バンドでなくても良いのです。
現実を破壊する衝撃を求めて、ヴィジュアル系バンドのファンはライブハウスに来ているのです。

その根本のファン心理を、誰かが決めた常識によって多くのバンドが見失っていたのです。



これはマーケティングの考え方、仕事との向き合い方、自分自身の生き方・・・
様々なシーンで日々起こりうると思います。



みんながやっているから、上司に言われたから、社会の常識だから・・・
しかしその固定観念は本当に正しいのでしょうか?



もちろん、反逆すべきだという話では全くありません。
大事なのは、素直な気持ちを持ちながらも、常に自分で考えて、最終的には自分の信念に従って行動する事だと思います。



私も日々、自分を見失っている事に自分で気がついていない事があったりするので
「ホッと」一息、自分自身を見つめ直す時間を上手く作ろうと思っています。



このメルマガを書く事が、実は1つ自分を見つめ直す時間になっていたりします。
いつも読んでいただき本当に有難うございます。



それではまた次回、よろしくお願いします!

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