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『氷の城壁』1巻2巻購入・紹介・感想

速攻で楽天に予約をいれたこともあり、無事発売日の7月4日に『氷の城壁』1巻2巻を入手しました。
トップ画像はみんなのギャラリーからです。背の高いヨータの名前をまだ知らない段階で「キリンさん」とこゆんが呼ぶシーンがマンガにあったため、採用しました。
単行本化決定のときに書いた記事は、下記をご覧ください。

先生のツイッターによると、タテヨミのWebtoonから、横に読んでいくマンガ形式に編集していくにあたって、ある程度絵の書き直しも行っているとのことです。実際インディーズ時代を含めて2017年末から2022年の初めまで4年を超える期間をかけており、初期の絵は今となっては若干の不自然さも感じられなくもない状態ですので、Webtoonのときと比べて、気持ちマイルドに書き直されている部分もあります。最初のほうは各種販売サイトでも比較的試し読みで無料で見ることができますが、購入後じっくりと見比べてみるのも良きです。
加えてコマの大きさ、位置も変わるので、吹き出しもそれに対応して位置変更がだいぶされています。また絵も削除・追加(頭の一部など)されたところがあります。編集されたみなさまご苦労さまです。
評判が評判を呼んでいるようで、発売翌日には在庫分がはけてしまった本屋さんもツイッターを見る限りではかなり多そうでして、実際、発売週末の日曜午後にスーパーに入っている書店に立ち寄った際には現物がありませんでした。

話全体としては117話(おまけ除く)で構成されているところ、今回2巻合計で24話ということから、おそらく全体では10巻になるのではと推測されます。
1・2巻の単価はフルカラーということもあり税込み990円。毎月1回新刊発売の予定が組まれています。なお電子書籍だと1巻あたり784円になっていますので、自分一人で見る分にはこちらでもよいのかもしれませんね。

『氷の城壁』は、阿賀沢先生が今書かれている『正反対な君と僕』がジャンプ+での連載でジャンプコミックスから単行本が発売されていることもあるのか、こちらもジャンプコミックスからの刊行になっています。
これにより非常に面白い事態が発生しており、同じ作品にもかかわらず、LINEマンガでは、タテヨミのほうは女性マンガ、ジャンプコミックスから販売(電子書籍版もあり)されたほうは、少年マンガのカテゴリーで表示されています。あんまりマンガに詳しくない(とくにこれまで女性向けマンガはほとんど読んだことがなかった)のですが、相当異例のケースかと思われます。

一番最初にこのnoteで紹介したのは下記ですが、「まずはどんなに最低でも、3話までは一度はお読みいただければ」と書いた部分について、多少ネタバレを含めて、わたしがもっていかれたこと以下2点書いておきます。

主人公の「小雪(こゆん)」が第1話において、先生から同じクラスの男子生徒にノートを渡す際には、ヤンキーかと思われかけるほど非常に圧力のある怖い表情で描かれていたのに対し、第2話で幼馴染の「美姫(ミキ)」が、下駄箱のところでスマホでカウントダウンしながら待つ小雪のところに、階段をダッシュしてきて間に合ったときに笑った小雪の表情が、思い切り美少女だったという大きなギャップが第一点。
第二点の大きなギャップとしては、2話での美姫は、かわいい子として学年のアイドルとして扱われて描かれ、クラスメイトにもそつない対応だったのに対し、3話で帰り道に家の近くで幼馴染の小雪とだべっているときは、足を広げて座ったり、スチール缶をつぶしたり、ドカンドカンと笑わせたいと気持ち怒り目加減の表情が出るくらいいろんな側面をみせるなど、思い切り意表をついているところです。
ここまで極端に違った側面を出す2人を、少女漫画にもかかわらず描いたところで、笑いも含めて持っていかれた次第です。
あとは描かれている高校のクラスが、男女の会話の無いクラス、比較的あるクラスの両方書かれていることなど、自分の高校時代を思い出させる部分が相当あったということもあります。

ひとりでいるひとを、かわいそう、と思い、ほっておけないイケメンの「湊(ミナト)」と、190近い長身でおだやかな「陽太(ヨータ)」とあわせて、4人を中心としたこじらせ青春ストーリーをぜひ読んでくださいませ。

とは書いたものの、販売開始からそろそろ2週間になろうかとしている本日7月16日現在、書店では売り切れ、再入荷も売り切れているところがかなりあったり、楽天ブックスでも2巻は注文できない状況となっています。
重版がかかっているようですので、しばらくしたら注文可となり買えるようになるかとは思います。第3巻も8月4日発売が決定していますので、書店で購入を希望される方は発売当日に、ネット派の方は早めに予約をかけることをお勧めします。

最後に感想というほどのものではありませんが、1話1話クリックして読んでいくWebtoonと、単行本とで、まったく同内容なのに面白くなっているところを書いておきます。
第1巻の第10話末尾で、こゆんとヨータが一緒に歩いているのを見かけたシーンでミナトが「え」、第11話冒頭で、公民館でこゆんとヨータが隣り合わせて座っているのをみつけたシーンでミキが「え?」という場面があります。Webtoonでは「話」が異なるのでとくに感じなかったのですが、単行本においては、1枚めくった次のシーンになります。ほぼおなじセリフを連続して使っているというのが、驚きを一層増す効果を産んでいます。

まあ、第2巻の帯に書いてある「頼むから全人類読んでくれ・・・!」(宇垣美里 氏)というのが一番言いたいことなんですけどね。

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