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『氷の城壁』第8巻購入・紹介・感想(その2)


ネタバレ多少有りますのでご注意を!!


今回は、だいぶ間が空いてしまいましたが、第8巻についての感想その2(細かい部分)になります。8-1はこちらをご覧ください。

67話「理解」は、美姫の大切な友達である陽太が、美姫に対して恋心らしきものを示したことに対しての率直かつ真摯な戸惑いが中心です。結構重めの内容ですが、フランケンシュタイン化した美姫(しかも両手の余りある握力でやり場のない気持ちも同時に表現されています)で笑い、美姫のおかしさにに気づいたこゆんがヨータはどうなっているのかの気遣いに対し、これまでの行動からそうなることは予測できたものの、切なすぎる回答予定・・・

68話「爆弾」は。なんといっても桃香が外堀を埋めに行っている怖さがえぐいんですが、「私 雨宮先輩のこと好きなんで 実際」(p.32)との桃香の宣言を聞いた時の、つっこちんとこゆんの表情 ー眼の輪郭が丸く書かれ、瞳はポツの「目が点になる」というコマー が好きです。たしか『氷の城壁』117話全体で、受ける相手全員の目が完全に点になるのはこのコマのみです。
さらに桃香は外堀を埋めていきますが、コマが進むにつれて、つっこちんとこゆんの表情の対比もクスリとしていまいます。こゆんは表情の変化が乏しいというキャラなので、大きくはかわりませんが、つっこちんはミナトがこゆんに片思いしていると感じとっているため、わかりやすく変化しています。
若干不安に思っている表情
→ピクっとしてこれ以上言ってほしくないという表情
→ホラーをみている表情
とここまで変化するんだぁぁぁ、というのが感想です。

69話「確信」。こゆん自身で『城壁』を堅固に築いていたと思い込んでいたのが、いろいろな過程を経て、桃香のもの言いによって、ミナトが自分だけに対して特別な好意を持っていることにこゆんは気づかされてしまいました。
つまり外部からの働きかけ?によって自分自身が主体的に気づくってな具合でして、明天高校において自分のキャラクターとして設定したものが、実は自分の意志で堅固に築いた城壁ではなく、実はいつのまにか融けてきた『氷の城壁』であったことが理解できる描かれ方です。
この一連の流れの最後に、つっこちんの独白「この子・・・ なんか怖いこわい・・・」やり口が・・・、も、わたしのような少女マンガをほとんど読んだことない男性読者に対しても親切に示してくれてよきかな、ですわ。少女マンガを何作も書いている作家さんだったらこの独白はないように思いました。
また、打ち上げの食事の終了後、下駄箱でミナトに腕時計を持たれたあとのこゆんの感情の動きも、素人のおじさんでもわかるほど、余すことなく描かれていることもホント素晴らしいっす。

今回は月1連続を死守したい(note公式からも、今月書けば連続投稿を32ヶ月に伸ばすことができます、というコメントがきました)ということで、本来はこの巻の終わりまで書きたいという気持ちはあるのですが、意志薄弱で多分そこまで行けないだろうと思い、本記事は打ち止めとします。
5月2日に第11巻が発売となるのでそれの短評が先か、それともこれまでの巻の続きを書くことになるかは、気分次第ではありますがお付き合いいただければ幸いです。

(追記)
わたしがnoteを書くきっかけになった「ヨシタカ」さんが、今朝久々に記事をアップしたのも、本日アップしてしまおうと思った一因となっています。

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